寝坊三時間。9時起き、情けない。
急いで用意し、上り始める。
朝日を浴び始めるころキラキラと雪を纏った美しいブナを楽しみにしていたのに、
時、既に遅し。






やってしまった。おまけに天候も崩れ模様。
夏道をたどり、とにかく大山頂上小屋まで。さすがに稜線は風強シ、日本海側独立峰。





事故後、初めての山スキー。
到着後、滑降の準備をし始めると急に緊張してきた。

一休みして、いざ小屋の外へ。真っ白けで何も見えない。この天候での滑降はマズイな…。
ドロップポイントに付いても、視界はよろしくない。諦めなしゃーないか…。

雪質はまずまず、しまっている。表層雪崩が起こりそうな気配はない。
問題は下がどうなっているのか、はっきり見えず、ラインが読めないことが怖い。
これくらいの斜度なら大丈夫やと思いつつも、様々な記憶が甦る。
滑るか、やめるか、またまた押し問答。
じっと待っていると、スカッと下まで見渡せる瞬間が来て、ラインが繋がった。
“行けるッ”と勝算。





いざ滑り始めて、すぐに予想以上に足のパワーが無いことがわかる。雪もなかなか重い。ターンがしにくくてしかたない。なんて不安定な左曲がりターンだ。
慎重に慎重に…と念仏を唱え、滑降ラインを繋ぎ合わせ、傾斜がゆるくなるまで、半分、斜滑降でいく。もったいないけど、仕方ない。今の自分には、これが精一杯。

元谷小屋についたら、二時過ぎ、半端な時間。天狗沢や大屏風岩を見に行ったら、日暮れるので、やめることに。

とにかく寝坊してるようでは、ダメだ。(N)





迫力ある北壁:大屏風岩