YAH! YAH!ルート開拓記 明川浩之 4月30日前夜京都を発ち、瀬戸大橋を渡り午前5時頃には九州上陸。とんでもないギアと食料、ザイル、ボッシュ、ビデオ、をかつぎあげ夕方にベースキャンプに着く。 5月1日6:30起床10:00に小積の頭からラッペルを始め、手際よくボッシュで支点をうめていく。だんだん雨、風が強くなるがしぶとくねばって全ピッチの支点と一部ランニングをうめる。4:30B.C着 5月2日雨…。 5月3日4:30起床7:00から1P目クリーニング、ランニングボルトうめ、試登を行い13:00いよいよ明川リードでスタートする。悪いアンダークリングから、ガバフレークを利用してハングをぬけ、ダイクを左上し3ポイントのA1を越え、核心のあまいクラックに入る。足でクラックを押さえバランスをとり、一気にぬける。後はマントリング、ポケットを使ったスラブフェースを登り1ピッチ目終了。2P目永井久雄氏リード。いきなりポケットにフレンズ、ナイフブレードのタイオフ、ラープ、ナッツ、リベットと総動員。フレアーしたクラックではカムがうまく効かず苦労する。墜落4回、2時間30分のリード。ビレーも疲れたけど、アメリカンエイドって恐いものかもしれない。 18:00、3P目試登なしで明川リード。岩の波、ポケット、結晶ダイクをうまく読み必要最小限のボルトのピッチです。ちょっとランナウトが恐いかもしれないが、満足している1Pです。19:40、B.C着。 5月4日最終日ユマーリングで4P目のまぶたハング下のテラスまで行く。4P目はこれぞアメリカンエイドという、フレンズ、ナイフブレードばっちりのトラバースルート。しかしその前後の内容はエイドの恐さ一杯で全6ピッチ中最高の出来となりました。最後のスカイフックトラバースはアメリカンエイドならではの無茶恐わ~フィナーレ。5P目は京都エクスプレスに合流。最終ピッチ快適なスラブで小積ダキのピーク、 360度の大パノラマ。B.Cを撤収しその日に無事下山。 今回の九州で3本目のオリジナルルート開拓となる。同人蜘蛛の糸の永井久雄氏のパイオニアワークと我が会ホープヤングパワーの唐橋芳和君、そして私のフリークライミングと三者三様それぞれの力を十二分に発揮し出来上がったルートということで“呉越同舟”とつけました。またフレンチスタイル、アメリカンスタイルのミックスという意味も含まれます。 これらのアメリカンエイド、フリークライミングを会の活動に取り入れ、どんどん活性化していきたく思います。これにより今あるいろいろな岩壁の見方が少しずつ変わってくると思います。必ずときめきがそこにはあると思うのですが。みんなの意識改革にもなると思います。サッカーのJリーグの様にプロ意識が芽生え選手ひとりひとりの気持ちが変わってきているのを感じます。社会人山岳会だからという枠をみんなでどんどん押し広げ間口、活動範囲を広げ新しい展開を試みましょう。 楽しい仲間がどんどん増えていく会にみんなで頑張りましょう。今年は何か起こるかな? 使用ギア ザイル10.5x50m 3本< カラビナ 60枚 フレンズ 2セット キャメロット 1セット トリプル 2セット ナッツ 1セット ナイフブレード 10枚 ロストアロー 3枚 アングル 5枚 ラープ 4枚 アルミリベット 2本 スカイフック 5回使用 ステンレスアンカー 8mm ビレイ用 12本 ランニング用 19本 ボッシュ 1台 1P目 5.11b A1 35m 悪いアンダーフレークからダイクを左上。3ポイントのA1からフレアーしたクラックをバランス、レイバック、浅いジャムを使用し抜け出し、ポケット、マントル、スラブ等、内容のある1P目。 2P目 5.8 AA2 25m 風化した、浅いフレアクラック。ネイリング、ナッツ、フレンズ等カム類のセットが悪い。 3P目 5.10c 20m ボルト3本、フレンズ#1、#3.5の少々プロテクションの悪いスラブ。必要最小限のボルトによる開拓と私自身自負している1Pです。 4P目 5.8 AA2 20m 悪いネイリングからこれぞアメリカンエイドというピッチ。最後は恐ろしいスカイフックのかけかえ。 5P目 5.8 AA1 20m 少々、フレアーぎみのきれいなコーナークラック。カム類のセットが難しい。フリー化は不可能か? 6P目 5.9 45m フイナーレにふさわしい最終ピッチ。 |