メンバー:清、鹿

出発前に色々あって、結局男二人八ヶ岳でクリスマスを過ごすことになった。氷を登りたい清さんと壁を登りたい僕の折衷案として、氷結が十分なら峰の松目沢と裏同心ルンゼへ、氷が発達していなかったら小同心クラックに行こうという計画である。近頃気温が高く23日は一日中雨だったので僕の思惑通りになりそうではあるのだが、全く凍っていないのもそれはそれで残念だなーと思いながら中央道を車を走らせた。

12/24

赤岳山荘に着くと、驚くほど雪がない。先週も八ヶ岳に来ているのだが、12月末の一週間でここまで融けるかという感じ。期待しないで峰の松目沢に入ると氷があるにはあって一安心したが、3つほどボロボロ、ビチョビチョ、ジャバジャバの滝を登ったところで、「これはアイスではなく沢登りだ」ということで意見が一致した。先行パーティーもみんな諦めて降りているので、僕らも潔く帰ることにする。明日は小同心クラックで決定だ。

お昼ごろ混み混みの赤岳鉱泉になんとかテントを張って、睡眠不足の清さんは読書&昼寝、手持ち無沙汰の僕は赤岳まで散歩に行ったりして時間を潰す。

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⬆暇潰しに一人で赤岳参り

夜は赤岳鉱泉の屋内でなにかイベントみたいなのをやっていたがテントの民には関係ない。男二人で大して内容のない会話をして、積極的に行くべしというご尤もな教示を受けて、明日に備え早めに寝た。

12/25

なんとなくだらだらしてしまって6時過ぎに出発。大同心沢を少し詰めてから大同心稜に取り付く。ずっと樹林帯だが急でところどころ氷結しているため早めにアイゼンを着ける。次第に大同心が近付いてくる。なかなかの圧迫感である。大同心の基部に着き、そこから狭いバンドをトラバースして小同心に向かうのだが、ロープで確保できないのでこのアプローチが一番緊張した。間違いなく今日の最大の核心だろう。

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⬆小同心へのアプローチ、難しくはないけど落ちたらアウト

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⬆小同心、結構立って見える

小同心クラック取り付きに着くと既に先行パーティーが登っているところだった。のんびり準備させてもらう。

 1P目 :鹿リード

 礫岩の坂からスタート、左上してチムニーに入っていく。中間支点はハーケン等もあるし、ナッツやスリングでたくさんとれる。気合入れてダブルアックスで来たが、グローブで持てるホールドがいっぱいあってアックスは邪魔なだけだった。50m一杯伸ばして真新しいボルトの懸垂支点があるところでピッチを切った。

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↑1P取り付き。

 2P目:清リード

ずっとチムニーを登っていく。一カ所チムニーから体を出すところで高度感を感じたが、ホールドはガバガバなので落ちる気は全くしない。天気もよくかなり快適で楽しい。50m弱登ったテラスで交代。

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↑2P終了点のテラスに上がるところ

 3P目:コンテ

一段上がったところから歩きやすいリッジになっていたので、そこからコンテで最終ピッチの取り付きまで。青空に白い稜線が映える。先行パーティーは易しそうな所を選んで途中で右に入ってそのまま稜線に抜けていた。

 4P目:鹿リード

 ラインが分からないので適当に直上する。もうチムニーではないのでアックスが少し使いやすい。特に困難も感じずロープ半分ほどであっけなく横岳頂上に抜けた。山頂の標識でビレー。写真撮影の邪魔になったみたいですみません。

今日は八ヶ岳に限らず最高の天気のようで、北アから南アまで、富士山もはっきりと見えた。

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⬆帰りは硫黄岳経由で赤岳鉱泉まで。天気がよすぎて日焼けしそう。

テントを撤収して凍った道に気を付けながら下山。

今度は阿弥陀岳北西稜に行きたい。八ヶ岳が関西からもう少し近ければよいのだが。

記: 鹿