日時:2018年8月12日〜20日
メンバー:Rこ

ブログに書こうと思いながら気がつくと一年が過ぎてしまいました。

日程は

1日目は移動日でチューリヒからツェルマットへ。

2日目はテストを兼ねてブライトホルン(4,164m・ガイド山行)登頂

5日目はクライミングのトレーニングを兼ねてリュッフェルホルン(2,927m・ガイド山行)登頂

7日目ヘルンリ小屋へ移動

8日目にマッターホルン登頂(4,478mガイド山行)。

ガイド山行はマッターホルン含め、すべて昼頃に解散する半日コースです。山行のない日はハイキングコースを歩くか観光をしました。

2日目のブライトホルンは初めての海外山行で4,000m超だったので緊張していました。ツェルマットは標高が1,600mあり、朝の6時にゴンドラ駅に集合だったので寒かった記憶があります。
ガイド1に対し、ゲストは2名でした。驚くことにもう一名は草津市在住の日本人の方でした。

ロープウェイを乗り継ぎ、マッターホルン・グレイシャー・パラダイスと呼ばれる富士山を超える3,883mにある展望台の終着駅からスタートします。
事前にガイドの装備チェックがあり、ザイルをつなぎます。スキーヤーもいる一面雪景色の広々とした所を歩きました。
雪原を歩き終わると雪の締まった硬い斜面を登りました。ガイドがアイススクリューを使っていました。
今度は岩稜地帯をトラバースしていきました。かなり高度感があり、ミックス地帯でしたので緊張感がありました。終始天気が悪かったので視界は悪かったです。
岩稜を終えると再び雪の斜面歩きになり気がつくとガイドが立ち止まり、ここが頂上だと言いました。視界が悪く頂上の実感はありませんでしたが時差ぼけや睡眠不足でしんどい思いをしていたのでひとまずホッとしました。
下山もガイドになんとかついていきました終点駅までの最後の歩きが非常にきつかったです。
解散してからは疲労から草津市の方と展望台の休憩スペースで話したり寝てしまったりしました。ローウェイの下りも気持ち悪くなりました。

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5日目のリュッフェルホルンもガイド1対2で行われました。陽気なガイドでとても良いガイドでした。Eggというルートで4bと記載されていました。5ピッチ以上はあったと思います。特にテンションかけることもなく頂上へ行けました。天気が素晴らしく、まさに360度のパノラマを頂上にいる3人だけで堪能出来たのはとても贅沢でした。ガイドはマッターホルンの岩場はほとんどがⅡ、Ⅲ級でウオーキングクライミングだと言っていました。一部Ⅳ級もあるがそこには太いフィックスロープが張られているとのことでした。11時半に解散しましたがあまりに天気が良く絶景だったのでしばらく写真を撮りまくっていました。

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7日目にヘルンリ小屋へ向かいました。小屋までは最寄りのロープウェイ駅から2時間のトレッキングコースを歩いていきます。途中から悪天候で雨が降ってきました。小屋はマッターホルンのヘルンリ稜の取り付き付近の標高3,200mに位置しており、とても綺麗で内装も小屋というよりホテルのようでした。2段ベッドが2つあり、4人部屋となっています。

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夜になると夕食となり、イドが続々現れ、自分が担当するゲストの前に来てご飯を一緒に食べます。夕食を終えるとガイドが自分の部屋に来て装備のチェックを始めます。無事問題なく終えると就寝まで少し時間があったので同じ部屋のゲストと話をしました。クウェート人女性、シンガポール人男性、ドイツ人男性、皆さんとても良い人でした

翌日は4時に起きて出発の準備をし、ガイドと1対1でザイルを繋ぎ、4時50分に一斉にヘルンリ小屋からスタートします。

ヘッドライトをつけ、一列になって歩くと途中にフィックスロープが現れ、ここからへルンリ稜の岩場が始まります。岩場の連続ですが雪は無く、息が上がってしんどいですがガイドには良いペースだと励まされながら登っていきました。途中で日が差してきました。グローブ無しでは岩が冷たいのでかじかみました。IMG_1105

約4,000mのソルベイ小屋を超えて少し歩くとようやく休憩となりました。さらに上がって4,200mのいわゆる肩のあたりまで来るとアイゼンを装着をしました。ここから岩と雪の地帯となり数カ所フィックスロープも現れました。フィックスロープは綱引きの縄のうに太く、両手でよじ登りますが化繊のグローブがとても滑りました。ビレイグローブのような皮の方が滑らなくて済むと思いました

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ミックス地帯を超えると雪面の急登となり、アックスとアイゼンを使って登っていきます。標高もあり、体力も限界に来ていましたがガイドは一貫して同じペースなので必死についていきました。

なんとか登り終えるとガイドが笑顔で迎えてくれて少し先が頂上だと言ってくれました。狭い尾根のすぐ先に頂上の目印の十字架がありました。

僕を先に歩かせてくれて無事頂上に到達しました。時刻は8時ちょうどでした。感無量でした。ガイドと写真を撮り終えるとすぐに下山となりました。ミックス地帯は登ってくるパーティと下山のパーティで大混雑でした。下りも3時間ほどかけて降りました。疲労と登り終えた達成感から延々と続く岩場の下りにとてもうんざりしてきましたが11時過ぎに最初のフィックスロープの場所に戻ってきました。ここでガイドから無事山行が終了したことを告げられました。ヘルンリ小屋に戻ってくると同じ部屋のクウェート人とシンガポール人がすでに到着していて話をしていました。二人はソルベイ小屋でガイドに時間オーバーと判断されて下山となってしまったそうです。二人からコングラッツェと言われ嬉しかったです。後からドイツ人も無事登頂して戻ってきました。同じ部屋で登頂に成功したのは日独のメンバーとなりました。

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クウェート人の女性に帰りのトレッキングルートが落石で通行止めになっていると教えてくれました。とりあえず嬉しかったのでビールを飲みましたが疲労からか気持ち悪くなりました。クウェート人は20スイスフラン(約2,200円)もするパスタを少し食べて残りを全部僕にくれました。2時過ぎになってヘリコプターがヘルンリ小屋に来て客を最寄りのロープウェイ駅までピストン輸送してくれました。やや曇りでしたがアルプスの絶景をヘリから眺められました。

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スイスアルプスの名峰、マッターホルンに登頂、無事目標達成となりました。

装備について
ザックは25L 山行は問題ありませんがヘルンリ小屋で一泊するときに他に荷物があったのでビニール袋に入れていましたが、もう少し容量があればと思いました。

グローブは防寒用の他に岩場用はビレイグローブがベストかなと思います。
天気が良かったので長袖だけでした。

宿泊について
ユースホステルに宿泊しました。

技術面、体力面について

マッターホルンの挑戦の目安として事前の下調べでは技術面では残雪期の前穂北尾根をセカンドでスムースに登れる程度、体力面では1,200mの高低差を3時間程度で登れる実力が必要だそうです。

僕の当時の力量としてフリークライミングで最高10bくらい。事前に笠ヶ岳を登りましたがバリエーションルートの経験はありませんでした。

ガイド代について

マッターホルンが1,215スイスフランに加え、ヘルンリ小屋の自分とガイドの宿泊費300スイスフランの合計1,515スイスフラン
ブライトホルンのハーフトラヴァースルートやリュッフェルホルンは1対2で約360スイスフラン。1対1だと費用がもっと高くなってしまいます。

ガイドの予約は日本で事前にツェルマットアルパインセンターとメールでやり取りをしました。ヘルンリ小屋の頭金(150スイスフラン)は日本でクレジットで支払いました。
現地に到着してからはガイド山行の前日にアルパインセンターに行って料金を支払い、当日の集合時間やガイド名、装備等が記載されている手配書をもらいました。現地でマッターホルンに挑戦した人に聞くと皆さんマッターホルンの前にテストや調整を兼ねてガイド山行を1〜2回程度されていました。

 

記:こ

 

 

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