記 明川浩之 

 連載が始まる。それも岩峰会で!そのシリーズの第一弾が光栄にも僕からということで喜んでいます。また、会のなかから自主的に出てきたと言うところにも会の運営の充実を感じます。

 さて、本題に移りたいと思います。僕にとって、会での山行は全て思い出になっています。イコールその時に登ったルートあり、パートナーでもあります。いままでの山行からひとつだけ選べと言うのは、非常に難しいものがありますが、会でも頻繁に行くようになったエリアのひとつ彦根・芹谷の「ハイカラサン」というルートについて少し書きたいと思います。

 僕はこの時期金毘羅や千石岩を中心に登っており、あまりこの2エリアを抜け出すことができませんでした。何か自分の気持ちのなかで、クライミングと言う概念で何かをアピールしたい、または自己表現をしてみたい場を求めるようになりました。それはクライミングコンペやルート開拓と言う手段だと目覚め初めました。そして正に眼前に白い石灰岩が広がりクライミングもクラックから、フェースへと、しかも前傾へと移行しているときでもありグッドタイミングでした。その魅力的なノンボルトの処女壁では、泥落とし終了点の作成、トップロープでの試登、クリップの位置決め、ムープの解決、リードでのトライ、完登!、ルート名の決定と、色々な事が初めてであり、新鮮であり自分の可能性を押し上げられたルートでもあったと思います。もう一つ電動ドリルが出現したのもこの時期でした。

 

 結果5・12Aと言うグレードがつき、エリアでも人気の1本となり、芹谷も関東クライマーの腕試しと集中放火を浴び、関西でも人気のエリアとして定着してきました。そしてこの時期大いに情熱を傾け、山での辛い思い出をぶつけたあの時の僕が今も鮮明に蘇ってきます。またグレード・内容・取り付きやすさ等もあり、多くのクライマーの挑戦を受けているのを見ると何故か、ニヤニヤとしてしまいます。これですっかり味を覚えてしまってからは、開拓の魔力いや魅力に溺れっばなしです。

 その自己満足行為は、リトル比良・鳳来湖・九州小積ダキおまけにビル壁にまで目を向けてしまいました。と言うわけでそのインパクトが強くって、評価としても人気があるという事で、このルートを選びました。さて今後は、何処の岩をみつけ出し可能性を引き上げるのかこうご期待!

 次号の担当は中西さんです。宜しくお願いします。