手つかずの原始の森が残る素晴らしい山。
赤谷山脈の最高峰なるも、登山道がなく、積雪期にしか登ることができないとのこと。
サルガバンバ。名前の響きも気に入った。
ということで、T口さんと、行ってきました、猿ケ馬場山。



連休の観光客でごった返す、白川郷合掌造り集落からの登山となる。
すっかり雪もなくなった、うららかな春の集落。そこから見上げると、雪はまだ
たっぷりついているけど、木々の先端はすでに芽吹きが始まっているのか
山全体にうっすら春色のベールがかかったような、穏やかな山容が見える。

神社の裏から、林道を利用しつつ山の中に入り、谷をつめていく。
雪は固く締まっていて、つぼ足でもそれほどは沈まなさそうだけど、今回は
スキーを持ってきたのですいすいと快適。どんどん高度を上げる。
振り返ると、白川郷の集落が小さく見える。観光客などごちゃごちゃしたものは
小さすぎて目に入らない。青緑色にキラキラ光る川がとてもきれい。
全てを山に囲まれたこの小さな小さな集落は、やっぱり日本の宝物だと思った。
(写真を撮り忘れて残念!)

標高1100mくらいから、谷を出て、隣の尾根に乗る。樹林越しに真っ白な白山が
見えてくる。しばらく登ると△1472の稜線に出る。
地形図を見ていても分かるが、この辺りの山の特徴は、山頂がゆる~くまる~い
ことだ。そんなピークが続く稜線は、とてもゆったりと幅が広く、稜線上というよりは
天空の森の中という感じがして、とても癒される。
天気が悪い日は、迷いやすくて危険だろう。でも今日は快晴無風。大きなブナの
間を縫ってスイスイ進む。雪の上の樹影がきれい。なんて楽しいんだろう。
そして、これなら私でも滑って帰れそう。帰りの楽しみが膨らむ。
(このへんも、楽しすぎて写真撮り忘れてます・・・)

緩やかなアップダウンを繰り返しながら高度を上げ、ブナにダケカンバが混じり、
それがオオシラビソに変わってくれば、猿ケ馬場山。頂上は、例によって広い
雪原。まっ白い雪原にオオシラビソがポツポツと生えている様子が、生クリーム
たっぷりのケーキにプラスチックでできたクリスマスツリーをデコレーションした
ようで楽しかった。アクセントに大きな赤いイチゴが欲しいところだった。



↑ このいちばん奥が山頂。

どちらを向いても、360度の大展望。
白山がものすごく近くに見えるのにも、北アルプスが見事端から端まで全部きれいに
見えるのにも、びっくりした。



↑ 白山をバックに。

そして、お楽しみの下り。
もともと、ワカン代りにと持ってきたスキーであるが、滑れるところまで滑って下りた。
森の木々と戯れながらのスキーは、ゲレンデでは味わえない、最高の幸せだった。






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