北山の「イチゴ谷山」という山へ行ってきました。
可愛らしい名前にビビっときた勘のいいカヨちゃんと、知らない山には目がない私。
いつになくすんなりと行き先は決まったのでありました。

天気予報は良い方にハズれて、とても気持ちのよいさわやかな朝。
いつもの367号を梅の木で左折して、平良の集落へ。
林道の入り口に車を止めさせてもらい、そこから城江国境の稜線を目指す。

テープや標識はないけれど、林道や、水の流れる大きな谷、所々に残る踏み跡など
ヒントがたくさんあるので、それほど迷うこともなく、目指す稜線へ出ることができた。
稜線の逆側(京都側)にあるミゴ谷を詰めたところにある「ミゴ越」という場所に
出ようと思っていたのだけど、出たところは100メートルくらい南へズレてしまったかな。
でも、イチゴ谷山は稜線を南に行ったところなので、ちょっとお得だ。よしとしよう。
視界が開け、京都の山々が見晴らせて気持ちがよい。

休憩の後、テープもある明瞭な稜線を30分程南下すると、イチゴ谷山へ到着。
思い思いの手作り山頂看板?が掛けられた山頂は、それ以外には何もない
静かなところだった。




ここから、更に南の方の909ピークまでの間には、芦生杉やブナの巨木が点在している
との情報だったので、下山予定の尾根を確認した後、もうちょっと南下してみることにする。
まず最初に出会うのは、他の植物をいっぱい寄生させた、身も心も大きな芦生杉。
しばらく行くと、枝葉をいっぱいに広げ、2人ではとても抱えきれない程の、大きなブナ。
大きな木に出会うと、なんでこんなに幸せな気分になるんだろう。
涙が出そうになる。




イチゴ谷山頂に戻り、さっき偵察しておいた、山頂から北東に伸びる立派な尾根を下る。
上手くいけば、ドンぴしゃで、車を置いた地点まで戻れるはずだ。
予想通りかなり明瞭な踏み跡があるのに加え、赤テープまであった。
結局、これまたちょっぴりズレたところに出てしまって、最後にちょっと「草こぎ」を
することになってしまったけれど、5分くらい歩いて車まで戻ることができた。

結局、今日は一日、誰にも会わなかった。
山が山のまま、人知れずひっそりと在り続けているところにお邪魔させてもらったような
幸せな一日だった。

<文:とん / 写真:カヨコ>