昭和ニ年に釜トンネルが開通するまで、上高地へ行くのは、島々谷からの「徳本峠越え」が 主なルートだったそうです。
おなじみの上高地ですが、時間をかけて、がんばって山を越えて、やっと辿り着く上高地は どんな感じだろう? 初めて上高地に行ったときの、あの感動をもう一度味わえるような気がする!!
そんな徳本峠越えに、憧れの「霞沢岳」を組み合わせてみました。

GWの北アルプスだというのに誰もいない、
まるで世の中から忘れ去られてしまったような道。
だけど、まさに「春の小川」のほとりを行くような楽しい道で、今が盛りの春を満喫。

休業中の岩魚留小屋を過ぎたあたりから雪が出てきて、雪崩の跡を越えたりしながら、
最終的には、「道」は分からなくなっていった。

でも、この小さな谷をずっと詰めていけば、いつか、峠にでられるはず!
と思って、頑張る。


やっと峠に出た!!



今までの、長く地味~な道のりからは全く予測不能な、いきなりの絶景に狂喜する。 居合わせた人々に、「初めて穂高を見るのですか」と聞かれてしまうほど。
春を満喫し、お気楽に楽しかったのもここまで。 久々に触れた人間のあったかさに後ろ髪もひかれるが、私たちは霞沢岳を目指す。
最終日はお天気が悪く、景色も霧の中。 快晴の昨日は何組もの人が楽しく登ったであろう山も、またまた誰もいなくなり、 ちょっと寂しい雰囲気。 進む道も、高度感たっぷりに切れ落ちていたり、私たちにとっては壁のように 感じられる急斜面だったり。 ここのところ味わったことがないような緊張を味わう。
2人で、一歩ずつ、確認しながら進む。 私たちの技術と精神力ではここまで、ということで、霞沢山頂ではなく、一歩手前の K1ピークで引き返すことにした。
でも、引き返しながら、なんともいえない充足感が心の中にわいてきた。 最近、楽しい山はたくさん行くけれど、たまには頑張る山も登りたいな、と思った。 そのためには、一から鍛え直さねば!!です。
<とん>