日程:2018/10/13
メンバー:鹿、樫、他1
「1995 サマーコレクション」。開拓者の一人が会の先輩ということもあり憧れのルートではあったが、適当に登りに行ってテンションをかけてしまうのは悔しいという気持ちもあった。どうせなら「余裕でしたよ~」とか言ってみたい。とはいえルートのグレードに比べて自分の技術にあまり自信がなかったため、しばらく行きたいリストに寝かせたままであった。
しかし時は満ちた。去年からフリーをそれなりに頑張ってきて5.11台もそこそこ安定して登れるようになってきた。そろそろいい頃合いかということで、同じくらいのレベルのメンバーを誘って憧れのサマコレに挑戦することに。
山の中の岩場だが夏は暑いということで、涼しくなり始めた秋を狙う。次の週末の天気予報を見て晴れそうなことを確認し、電話とFAXで入山申請を行う。千石嵓のある西大台ヶ原は利用調整地区に指定されており、入山には事前の申請が必要なのだ。遅めの申請だったので入山許可証は現地で受け取ることにしてもらった。
朝3時半に針テラスに集合。そこから車を乗り合わせて大台ケ原に向かう。朝6時に大台ケ原駐車場に到着。ガスがかかっておりかなり寒い。6時半からビジターセンターで入山前のレクチャーを受講。レクチャーの内容は西大台の生き物や自然保護の経緯など。講師のおばちゃんはかなりフレンドリー。レクチャーの途中で今日はどこのルートに行くのかと尋ねられ、「千石嵓です」というと、「なんや、あんたらクライミングかいな!早よゆうてーな!」ということでレクチャーを短めに切り上げてもらいいざ出発。
入山は西大台方面ではなくシオカラ谷方面への遊歩道入り口から。「新版日本の岩場」にある通行止めの看板というのがよくわからなかったので、地形図を見ながら適当にいく。千石尾根から南西にトラバース気味に沢を下っていく。ところどころ踏み跡のようなものもあるが、浮き石斜面の藪漕ぎなども少々。岩壁の基部あたりから明瞭な踏み跡が現れ始めた。サンダーボルトなどほかのルートのボルトを横目に進んでいくと、突き当りの凹角の壁がサマーコレクション。ついに来た。
↑アプローチがよくわからず少し迷う 最終的には地形図とコンパス頼り
↑尾根上の鹿柵を越えていく
↑取付きから見上げる 写真中央が1ピッチ目終了点で、そこから右の陽の当たるフェースを登る
以下ルート詳細
1ピッチ目:簡単ということなのでアプローチシューズ、ノーロープで登る。凹角に枯れ木が詰まっていて左の尾根上を登ったが少し緊張した。上ですぐにセルフビレイをとれるようハーネスは履いて登るべきだった。
2ピッチ目:取付きには有名な金属プレート。少し悪いスラブから始まり、左上する溝に沿って上がっていく。体勢が少し悪くてグレードより難しく感じた。ビレイ点のテラスに上がるのも手がなくて微妙。
3ピッチ目:よく覚えていない。2ピッチ目よりは簡単でグレード通りだったような気がする。
4ピッチ目:小ハングを左に抜けるのが本ルート中の核心。微妙なピンチホールドで迷ってしまいもじもじしたが、何とか突破。ビレイ点でピッチを切ろうとしたら、下から樫さんが「次もつなげていけるらしいですよ」というので、そのまま5ピッチ目突入。
5ピッチ目:易しいスラブ。中央バンドの木で終了。4ピッチ目と合わせて50mいっぱい伸ばした。
6ピッチ目:林の中を左にトラバースし、左の壁のバンドへ。REAL CONSTANTEのクラックが見える。かなり面白そう。
7ピッチ目:ルート中のハイライトと呼ばれるハンドトラバース。しっかり堪能しました。このロケーションでこのムーブは素晴らしい。
8ピッチ目:カンテを登る。後ろを振り返るとすごい高度感。
9ピッチ目:最終ピッチ。雨がパラパラと散り始める。なぜかルートは易しいカンテではなく右側壁に回り込んでいる。最後の最後に小ハング越えがあり、リードの樫さんは問題なく突破したが、フォローの僕は濡れた岩が滑って落ちそうになった。ここで落ちたらチームオンサイトが水の泡。手で耐えてパンプしながらもなんとか落ちずに登りきった。
↑2ピッチ目取付きのプレート
↑下部4ピッチは寝ているように見えて意外と難しい
↑6ピッチ目 左の壁に移る
↑7ピッチ目 噂のハンドトラバース
↑最終ピッチはカンテ右に飛び出すルート取り
登りきった先は平和な尾根。チームオンサイト達成を喜び合う。帰りはレクチャーで習った実生を踏まないように気を付けながら尾根を辿る。鹿柵をよけながら帰るので少々面倒くさい。次第に霧が濃くなってきて大台原っぽさを感じながら駐車場到着。入山許可証ホルダーをビジターセンターに返却してアンケート書いてピンバッジをもらって終了。お疲れさまでした。帰りがけに大宇陀のさっぽろらうめんで月の輪ラーメンを食べた。餃子がおいしかった。
振り返ってみると、少し緊張した箇所はあったが全体としては落ち着いて登ることができた。千石岩のバフフェース下部でひーひー言っていた一昨年に比べるとずいぶん成長を感じられる。来年もこのままどんどん登りに行こう。
記:鹿
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