日時:2019年7月26日〜28日

メンバー:おかD、Rこ(筆)

念願の北鎌尾根へ!

1日目は北鎌沢出合で泊。水俣乗越の急登もつらいが乗越からの下りがザレ、生い茂る木々、雪渓とバリエーションに富んでおり足に負担がかかる。

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4年ぶりの横尾大橋。橋は渡らず大曲へ。

 

 

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乗越から雪渓を下る途中、北鎌尾根が見える。無駄に長い沢を詰めて出合到着。外で食事中に雨に降られた。

 

2日目は沢の右俣を詰め稜線へ出て一気に槍ヶ岳の頂上を目指す核心の日。朝は晴れており、この時は快適な山行になると思っていました。

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左の大きなピークが独標(2,899m)。

 

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独標基部。草付きが徐々に少なくなり岩の要素が大きくなる。

 

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恐る恐る通過。

独標通過あたりからガスってきて天気が怪しくなる。

 

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岩は不安定で一手ずつ確かめながら登る。間違えて断崖絶壁に行ってしまい引き返すこともしばしば。

 

 

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先行パーティに追いついたところで雨が強くなりカッパを着る。視界も悪く、大槍はともかく次のピークすら見えない。

 

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この日、岩峰パーティ以外では北鎌7回目となる単独行の70代おじいちゃんと3人パーティだけだった。今朝右俣を詰めている間、草むらにカメラが落ちており、3人パーティのうちの1人の落し物だとわかった。カメラを返すと非常に喜ばれた。3人とも聾啞の方で手話でコミュニケーションをとっていた。僕は手話ができないが心が通じ合った気がする。

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雨と視界不良・・・。

ぼんやりとピークが現れるが、何度も大槍、小槍と勘違いする。10時間以上歩き、疲労と雨による冷えで体力も限界になってくる。P15の後、ルートファインディングを誤り尾根通しを行くべきところを巻きすぎてガレ場をかなり降ってしまっった。

 

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大槍が見えないのでどこへ行けば良いのか。尾根に戻りたいけどガレ場を上る必要があり、どれだけ上がれば良いのかわからず気が進まない。引き返すか、疲労困憊でビバークも頭によぎったが、ややガスが薄くなった時に大槍まで続く北鎌尾根が遠くに見えた。

 

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ゴールが見えたので体力を振り絞ってガレ場を登り、尾根上のケルンにたどり着けた。あとは大槍の頂上へ目指すのみだ。

 

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一心不乱に登ると頂上に到着!18時40分。5時に出合を出発したから13時間以上も歩いたことになる。当然頂上には他に登山者がおらず、誰からも温かく迎えられることはなかった。こんなはずでは・・

 

19時半に小屋へ到着して聾啞の3人衆と再会した。彼らはP15の懸垂地点でさっさとロープを出して降って行ったが僕らもそうするべきだった。

急いで大雨の中テントを張って2日目終了。3日目も雨で当初予定していた小槍は断念して下山。結局クライミング道具は単なる重量物だった。

無事に上高地へ帰還し山行終了。荷物が重く足裏が痛い。喜びもひとしお。

 

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徳沢ソフト。

 

何箇所かの時間ロスと終盤のルーファイミスは痛かった。視界不良で大槍が見えず、独標通過後はランドマーク的な地点を見落とすなど、いろいろと反省の多い山行となった。