源登山っていいな。

 

今回ばかりは、予想通りラッセル三昧でした。もともと入山者はいないだろうし、アテもない。延々、静かな山で、ひたすら歩き・登り続けるというスタイル。山行計画からして、玄人っぽさ満点。

 メンバーは、ベテラン山屋のSさん・Kさん、そして青森から遙々参加のTくん、そして私の4人。本当は5人の予定だったのだけど…今回参加ならなかったがUくん。彼は遅れを取り戻すべく気合いを入れすぎトレーニングで負荷をかけ異常が発生し、参加辞退となりました。

さて、実際の山行の状態だが、Sさん・Tくんのスノーシュー隊が威力を発揮し、どんどん進行するも、ワカン隊が追いかけて行くという状態になった。

 1日目は、1時過ぎに下抜戸沢上部の橋に到着し、そこで幕営することにした。時間は少々早かったが、2~3時間で安全地帯での幕営地を望めるもなく、雪崩を避けるため、安全圏に留まった。

二日目は6時出発で、暗い中、進行する。軽快に昨日とおなじ隊列で進行する。

とにかく沢を渡るのが気味悪い。自然とバックルを外して万が一に備えていた。

さて奥抜戸沢を過ぎ、東尾根の登りが始まる。単調な登りだ…。ひたすら努力・脚力・ラッセリングだ。どこまで高度をかせげるか…。

傾斜も強くなって、頭上の高さまで雪がくる。空荷でのラッセルに変更する。傾斜がつよくなると、ワカン隊が前に出る。山行中、ワカンがいいかスノーシューがいいかの議論をしていたが、どちらも長所短所あるので一概に言えないが、全員足元が揃っていることが基本なのではないかと思った。ちなみにスキーで私は行きたかった。

えんえんラッセルを続け、時間的にもそろそろテン場にできそうな個所は無いものかと下から見上げ“あそこまで登りつめると平坦になっていそうだ…”と予想し行軍するのだが、期待は裏切られる。

尾根をがっつり切り、整地を行う。Kさんの完璧トイレ作りには毎度ながら感心・感謝致します。

翌朝、雪量も増え、天候も思わしくないことから、撤退を決める。あれだけ時間のかかった上りも下りはスイスイで取り付きまで降りてこれた。

 

テントでの語らいのなかで、先輩方は「源登山」を求めて今までやってきたという話が出た。道なく誰も行かなそうな山に自分たちの思い描くルートを辿り、そして自分たちの持ちうる力を出し切らんとする山行のことをいう。やはり冬は登山の原点を特に感じられる。自由でありながら厳しく、そして美しい。そんな話を聞くと、またこの山域に出向きたくなった。  written by n *写真がなくてゴメンなさい。