“もうアイトレやろ・・・”という周囲の潜在的な声にプレッシャーを感じながらも、


夏に本番クライミングができていなかった悔しさやら・・・、
クライミングってホントに面白い!!と素直に思える気持ちやら・・・、
来期になんとか繋げたいという期待やら・・・、




つれてくのではなく、自分自身でセーフティーコントロールできる技能の習得度合いを
見計らいながら、ラストチャンスとして行かせていただきました。

コースも前尾根は基本として、その下降を前壁ルンゼ北谷側でなく、
いやらしい下降のある藤内沢側に取り、地形概念把握を含め
少々時間がかかっても、的確に降りられる技能を高めるべく、ルート選択した。

今の段階では、櫓にのぼることより、下降がきちんとできることのほうが、基礎技能を上げる上で大切だ。

“いってきますから、ただいま” 迄の全行程をシュミレーションすることの重要性、
すぐに出来るわけないけど、やはりその意識と取り組みは初心者であっても必要。

車を降りてから、取り付きまで自分(N)を案内してください と事前に宿題を出しておいた。
少々助け舟をだしながら、取り付きまでつく。
しょぱなp7の中間部からのワンムーブに一苦労しており表情も硬かったが、
高度をあげ、ピッチごとに変化のある壁に、おもしろいーーーと元気な返答。

今回は、キッチり、フォローで上りきるを目標にしていたけど、
その調子から、P3 A・Bスラブでリードしてもらうことにする。
“はい、わかりました!”と少しの間があり・・・返答され・・・表情が引き締まる。
“事前に言っておいてくださいよ!!”という、はっしぃの心の声が聞こえたが、

勉強したんやろ・・・行けるよな、頼むで・・・チャンスを与えてるんだから・・・と無言で返答する。
姿が見えず、ジリジリ進むザイルに、頼むし、カムでしっかり支点とれよーと
声だししして、あとはひたすら待つ。急に、ザイルが止まる。
クラックに奮闘してるなと察する。無理して落ちたら一大事。
ピッチ切れるなら切れーと、アドバイス。 きりますぅーーー と 程なく、返答。

そんなこんなでリードを交代し、高度を稼ぎ、2時にヤグラのコルに到着。
あとは、気を引き締め課題の下降に入る。
荒れていると資料に掲載されている。いやらしい悪い下降であることは確かだ。
けど、ひとつひとつ丁寧に行けば大丈夫だった。

ただ藤内滝上部をトラバース中、はっしぃがスリップして危ない一瞬があり、肝を冷やした。
ここらへんは大丈夫と わずかに目を離した瞬間の出来事だった。
自分が新人に対して、徹底的な目配せが、できていない事を恥じた。

1ルンゼに到着して、一ノ壁も偵察してきたかったが、
留守本部のMさんとTさんの顔が浮かんだ。
5時の下山予定といっているのに、行けば6時をまわること間違いなしだ。
登山道に明るいうちに出れば、暗くても帰れるが、心配掛けてはいけないと
一壁への道だけ確認して下山開始する。

かえりの歩きの早いこと早いこと!!暗いのが怖いから らしいが、この人同じ人???と思わせる。
コツを掴んだようだ。 そうこうして、5時30分に無事下山。

それぞれに、まだまだ課題はありますが、
“御在所 好きになりました。楽しかった。毎週、来きたいくらいです”
と言ってくれたことは印象的だった。

(n藤)