東京起点100ルートという遡行集が販売されたのは、何年前だったろうか。それ以前は丹沢ルート100選とかの沢は「極めて遡行価値は低い」と書いてある沢が載っていたり、97年の遡行図で行ってみると15mの滝が消失していたり、新しい堰堤が林立していたりと入渓点の位置くらいしか信用できなかった。関西にきてから東京起点~の姉妹本の関西ルート100をすぐ買って読んでいると、南紀という地方にナメがきれいな沢があった。実際いってみると南紀は京都からどえらい遠く、またどえらいきれいだった。

19日前夜発。阪奈道で奈良まで行き、169号線をひたすら南下する。わさまたや前鬼、池郷など大峰って遠いよねっていう地名を通過しさらに南下。国道に深夜営業の釣具屋がちらほら、そうすると海にでた。道の駅ぽい駐車場で仮眠。シュラカバと防寒具は恐ろしく寒い。海からの風が猛烈に冷たい。

20日、中の谷の入渓点は子の泊山(ねのとまりやま)の登山口。途中桐原に向かう県道の橋が工事中で大きく迂回。

入渓。怪しい梯子を使って沢に下りる。すぐ一の滝。直登不可。



一の滝の高巻きが恐ろしく手間取った。結局4ピッチくらいになってしまい2時間半ほどかかった。所々に真新しいボルトと手作りの梯子など有り。最後は落ち口にきれいにトラバース。一の滝の上部は2つ釜のようだった。







続いて二の滝。遡行図によれば両岸から巻けるとあったので、簡単だろうと思っていたが、これまたむちゃくちゃ。左から小尾根に上がり滝の手前の2俣のガレ沢沿いにどんどん尾根を上がる。このまま山頂に着くんじゃないかと思うくらい上がる。もう沢に戻ろうということで少しトラバース。なんか滝の音がする。下には滝のよ一部のようなものも見える。まだ滝の落ち口の標高まできていないのか?それともまた尾根を上がるか獣道をトラバースしていくか・・・。喧々諤々した後とりあえず今見えている滝を少し降りてみてみると、なんか沢床がみえる。斜面も緩やかになって、ちょうど滝の落ち口にでることができた!2の滝は落ち口で釜を1つ抱え屈曲していた。



ちょうど落ち口にでたところはナメ床だった。右からはどえらい立った岸壁で両岸からの高巻きはできないんじゃないかな・・・。



きれいなナメ滝を快適に進む。

その後、ナメ滝にも飽きてダラダラとボロボロの斜面を上がり、稜線に出る。左に折れて山頂。さっさと下山の準備をする。桐原方面に下山する。最後登山道が二つに分かれていた。入渓点に帰る登山道とは別の登山道を降りてしまった。でも林道歩きが増えただけで特に問題はなかった。

雲取温泉に行ったあと新宮までまた戻って屋根のあるところで寝る。雨がものすごい。明日は沢にいけるのか?お酒を飲んで、行けなかった場合の観光ルートで盛り上がる。パンダを見に行くとか熊野三山全部にお参りするとか紀宝町のウミガメの浜にいくとか、朝風呂をするとか、なんか明日の栂谷は雨降ってたらいかないかもしれないと酔っ払いながら思ったり。寝るころに雨は弱まっていた。

http://gampoh.lolipop.jp/?p=2418に続く。