今回の沢は奥高野という山域。大峰よりかはもう少し吉野寄りで大峰とは山域を異とするが、橿原から延々と十津川沿いを南紀にむかっていく道は変わらない。
三田谷(びただに)は源を伯母子岳に発する谷である。伯母子峠は高野山詣に由縁ある熊野古道小辺路である。

入渓点に車を止め地元の人と談笑。マムシが多いらしい。腰に森林香とよばれるぶっとい蚊取り線香を提げたおっちゃんと話をする。(注意*遡行図に載っている駐車場は河原の工事中で使用不可。地元に人に許可をとって三田谷添いに車と止めたい。13.06.15)



最初は河原歩きというが、全く水がない。伏流になっているのか?ここ最近関西では渇水が叫ばれ、三田谷も水が枯れているんじゃないかと思いながら進むが、水がでてきて一安心。



三田谷は下流部はとにかく河原歩きで滝もなんもない。沢が水平にずーっと直線になっていたりして地形も少し変わっている。


植林小屋近くにはブルドーザーで慣らしたような道路みたいなのがある。


マツオ谷の出合に高台があり、今日はそこをねぐらとする。焚き木を集めて火を熾す。雨が降ってくる。けっこうな雨。
杉の葉で火をつける。沢に杉の葉の煙がたちこめる。



雨も一旦止み、焚き火もけっこう熾きてきた。焚火缶で米を炊き、
さらに汁物を作る。ご飯をたべているとまた雨が降ってくる。けっこうな雨だ。雨に濡れながら食事。焚き火は火の弱まる気配もない。


食器に雨が溜まっていく。大粒の雨に打たれながらお酒を煽る。いつのまにか雨は止んでいた、焚き火も小さくなってきたので就寝。

5時半起床。
焚き火をまた熾す。米を炊く。晴れ間が見えてきのうの曇天の気配はない。
だらだらと撤収準備をして出発。
カオラ谷までだいたい40分。滝は無く、河原歩き。所々幕営適地有り。
と、河原歩きに飽きてきたころゴルジュ。



最初の2条8mとかの滝は巻く。小さく巻けず少し大きく巻く。
水流に戻るには懸垂するのが無難だが、トラバース気味に降りる。木の根を土からほじくりだして掴む。


15mくらいの滝はフリーで。ヌルヌルで怖い。直登。中間支点も取れそうもないが、初心者にはザイルがほしい。


次の13mは明らかに直登不可。右から巻く。ゴルジュ帯の滝をまとめて巻く。
13mは滝上に出て最初の一歩が難しくザイルをだして通過する。



そして落ち口におりるところがなんともいやらしい!
240cmのスリングなどほしいところ。3mちょっとだができれば懸垂したい。左からの巻きは最初が急斜面でけっこう立っていたように見えた。
両岸でもいけそうな雰囲気ではあった。
その後は直登できる小滝をいくつか越えて源頭の雰囲気。水量も減ってくる。どピーカンで暑い。小滝で水を頭から被りクールダウン。
最後3段15mを越えて、うまく支流を詰めて遡行図の登山道の橋の下に出た。


伯母子峠を経由してピークへ向かう。ピークは展望よく天気も快晴。沢登りの苦労が報われる。



伯母子峠から旧旅籠跡というところまでの登山道はとても整備されていてブナなどの広葉樹林に囲まれすばらしい登山道だった。
しかし旧旅籠跡からは人工林のなんの趣のない登山道。よくも世界遺産と胸をはれたものだ。謎のアップダウンなどを繰り返して疲れる。
最後は石畳など現れるが滑って歩きにくい。汗だくだくになってザックと背中の温度がピークになった頃登山口着。疲れた。
大塔の夢の湯に入って帰阪。