12日
金曜日、夜に京都駅に集合する。京都は夜にも関わらずものすごい暑さだ。
大き目のザックを背負った体からは汗がでて堪らない。高速に乗って一路、高山を目指す。
深夜、沢渡の駐車場に着き仮眠をとる。さすがに涼しい。
13日
今日は涸沢までの長駆である。
日本有数の傾斜度を誇る釜トンネルを5人分のザックと6人を乗せたタクシーは唸りながら上がっていく。上高地に着くとなんか人がわらわらしている。人が多い。バス停の前の大きな屋根の下で準備をしているとかなり強い雨が降ってきた。
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明神で1本。雨は止んだようだ。徳沢を過ぎ、横尾の手前で土砂降りの雨になり、小屋に避難。コーヒーなどを飲み一休み。雨が弱まった隙をついて出発。雨強し。
DSCN3108 横尾本谷の橋を過ぎ、急登に喘いでいると沢づたいに雪有り。雨も止んできて徐々に植生も亜高山帯に移り変わってくると、涸沢の雪渓下部。ヒュッテも見える。
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DSCN3152 穂高の山々から吹き降ろす雪渓をすべりおりてくる風は思いのほか冷たい。と、寒がっているとヒュッテのテント村着。涸沢カールには雪がべったりついている。さぁてテントはどこにたてようかなと思っていると、大粒の雨。GW並みの気温とこの雨には、小屋でやり過ごす他なく、各自おでんなどをつつきつつ、正面に見える夏山の雰囲気を出す蝶ヶ岳を眺める。熱燗がしみる。
DSCN3159 雨も止み、テントを設営も終わり、明日の東稜の取り付きなどを小屋から偵察。北穂沢にはかなり雪が詰まっており、雪の装備が不十分で明日はかなり厳しそうだ。
DSCN3176 テントに帰って夕飯の支度をすると雨がかなり強く降っている。この気温で稜線でこんな雨に打たれるのは避けたい。夏用のシュラフと夏用防寒で不安を残して就寝。

14日
夜半にもテントを叩きつける大粒の雨が降っていた。2時起床。あんなに雨がふっていたのでは積極的にシュラフからでる気分でもない。
DSCN3182 うっすらと白んできて、北穂沢からテント村を俯瞰すれば蛍光オレンジ色の我らがV6が雪面に良く映えている。東稜取り付きの雪渓トラバース地点付近からギザギザのゴジラの背を見れば異様な黒さを目立たせている。
DSCN3207 高山植物群落など、北アルプスらしい雰囲気。
DSCN3219 北穂頂上着。記念撮影をする。やっぱり頂上を踏むのは気持ちがいい。ここから槍ヶ岳やキレットの絶景を拝めるはずだったが、濃いガスに阻まれる。小屋に入ってコーヒーを飲む。
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来た道を引き返し北穂沢の雪渓を快調に下る。雨強い。テント撤収後、寒すぎて食べることのなかった小玉スイカをまたザックに詰めて出発。
横尾本谷の橋でスイカを食べる。雨止む。
DSCN3265 横尾から上がる時は土砂降りで見向きもしなかった登山道も雰囲気ある良い道だった。屏風岩の前でルートなどを双眼鏡でみていると、初老のおじさんが私も昔は第一ルンゼに行ったことがあると屏風岩を見上げながら話してくれた。おとなしそうな雰囲気の方だったがきっと当時は血の気溢れる山屋だったのだろう。ある種の「業」である横尾から上高地の平地歩き。私は一番キツかった。嘉門次小屋でイワナの塩焼きを食べて、まだまだ長い上高地までの道を歩く。長い。つらい。
上高地からタクシーに乗り。駐車場に戻る。高山で夕飯を食べ帰京。長い長い山行が終わった。

くら