きのうの、幸の川は思ったより傾斜があり、息つくヒマもなく滝の連続する沢だった。
細尾沢は沢泊して、ゆったりいく予定だったがあの標高差を宿泊装備を背負って稜線にぬけるのは勘弁、その他理由もあり、日帰りで細尾沢をぬけることにした。幸の川下山後は細尾沢に少し近い場所で幕営した。翌日も晴天。こう天気に恵まれる沢は珍しい。
ガイドブックなどによれば、水晶沢までは登山道があるというが私たちは水晶沢の半分くらいまでしか登山道を確認できず、沢に下りて沢を早々に歩くことになった。細尾沢の出合まではかなりの時間がかかる。巨岩帯を右往左往して、水量の多い沢を何度も横切るととても骨が折れる。


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玉の窪沢を過ぎたあたり、右岸に登山道らしきものもあり、朽ちた看板を確認した。


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出発してから2時間半で出合に着。細尾沢を少し入ったところに焚き火跡があった。細尾沢を入るといちばん最初に幅広ナメ滝6m。左を行く。ヌメヌメ。河原歩きを少しすれば細尾大滝の勇姿が間近に迫る。


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飛沫を浴びて対岸に近いガレ沢を詰めていく。


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石積みのような枯滝


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途中滝とガレ沢の中間の涸棚に行く踏み跡らしきものがあるが無視する。さらに沢を詰めていくと二俣に別れ二俣に5mくらいの階段状の滝がかかる。左に入り、石を積んだような4mくらいの石垣(枯れ滝?)がありそれを手前に左折れて尾根に乗る。涸棚上部の崩壊地をトラバースすれば沢床がみえる。なんとなく踏み跡があり難なく沢に下りられた。
沢に下りて1本。きのう作ったおにぎりを食べる。乗鞍が見えて沢もたくさん陽が当たってアルプスの沢にきたなぁと感じる。


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いくつか小さい滝を越えていくと大きなナメ滝がでてくる。川幅いっぱいに広がったナメ滝の連瀑帯でこの沢でいちばん楽しいところだ。スノーブリッジも残っており、アルプスの雰囲気を盛り上げてくれる。


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ナメ滝群


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もうナメ滝にも飽きたかなというころ沢の水量は少なくなってきて、ナメ滝群の幻想は消えてはるか彼方に霞みそうな遠い稜線に突き上げなければならないという現実に気付かされる。1:1の二俣らしきポイントを右に行くとすぐ1:3とか2:1のポイントがでてくる。勘で玉の窪小屋のヒュッテのほうにいきそうな沢を選択するが、山頂直下に少し寄っている。結局、玉の窪小屋下のガレには突き上げるルートをやめて山頂に直接突き上げる最も標高差のあるルートを選択した。


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既に陽は南中後傾き始め西日の濃い光が影を長くする。ガレ場は石が不安定でなかなか進みづらい。


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ハイマツの藪漕ぎなどを交えつつ、やっとのことで山頂に着いた。宝剣岳や空木岳など中央アルプスの山々がはっきりと見えた。
長居することもなく、山頂の祠に参拝し下山を急ぐ。玉の窪小屋でポカリを買って福島Bコースを足早に進む。避難小屋に着くと老夫婦が夕飯の支度をしていた。刻んだタマネギをもらって食べた。ここからはきのうと同じ下山道だが、きのうのようなスピードがでない。力水を過ぎて4合半、少しあたりが暗くなろうとするころ林道にでた。


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デポを回収してタクシーを呼ぶころにはあたりは真っ暗になっていた。