前回からのつづき
vol.7 最終回「ほならまたな、アンナプルナ」
次の日はこのトレッキングの目的地であり、最高到達点(4130m)でもあるアンナプルナ・ベースキャンプまで。
夕食を取ろうと外に出ると雪が止んで、昼間は見えなかったマチャプチャレが目の前に。夜、ふいに雪山を見るとすごく緊張するというか、一瞬なんか息が止まるような、全身がぞくぞくする感じ。あ、息を飲むってこういうことか。
あーすげー。でけー。
次の日6:00にマチャプチャレ・ベースキャンプを出発。
そこから1時間、ゆるやかな坂を登ってアンナプルナ・ベースキャンプに到着。
朝日に照らされるアンナプルナ連峰。最高にきれい。
ここまで来れたのもマー君のおかげや。ありがとう。
とか心の中で思ってる横でマー君は記念撮影を欠かさない。
むしろ私より撮ってたし笑
ほんまこんだけはしゃいでくれたらうれしいわ笑
そのあと1時間もせずマチャプチャレ・ベースキャンプに戻り軽くミルクティーを飲んで休憩。
9時から下山開始。私とマー君の旅もあと2日。ちょっとさみしくなってくる。
この日は5時間程歩く。バンブーまでもどる。その道中、雪がある箇所で、
マー君はゆっくり、気をつけて
とか言ってくれる。
私 「ありがとうマー君。でもそのブーツの方が心配やで」
マー君「うん、あしの先がめちゃくちゃ痛い(°_°)」
マー君ごめんよ、どうもしてあげられない。
頑張れとしか言えない。たぶん慣れない山歩きでヘビーな荷物を背負ってかなり痛かったと思う。
下山でスピードが上がる私と痛さでテンションが下がるマー君。
なんやかんや目的地のバンブーまでもどってきた。
明日も早いからみんな早々と夕食を食べ眠りにつく。
今日はもう最終日。
ランドルンまで戻りそこからマー君所有のジープでポカラまで戻る計画。
最初は麓まで歩いて戻り、バスで帰ろうと思っていたけど、破格のジープ1000ルピーの魅力に負け、結果1日短縮。
7:30から歩き出し、2時間程でシヌワという村に。
ここで出会った韓国人の2人組とポーターさん1人。
この2人組は私達と同じ日程だったので、あと一泊して下山の予定。
でも私達のお金に物言わせてジープでポカラまで帰る作戦を聞き
自分達も早くポカラに戻りたいからジープに乗りたいとの事。快諾するマー君。
ここから5人で共にランドルンを目指す事に。
ランチタイムには韓国人ホテルで参鶏湯をごちそうになり、山であったかい参鶏湯を食べられる幸せに心から感謝。
いろいろ話をしてると2人とも私と同じ27歳で男性がアンさん、女性がアルンというそうだ。
アンさんは大阪に3ヶ月留学をしてたらしくカタコトの日本語で喋りかけてくれる。お互い知っている韓国や日本のスターのゴシップネタや、好きな歌や、歌手のネタで盛り上がった。
そんなこんなでランドルンに着いたのが15:00。
一週間前、風邪をひいて死にそうになっていたムーンライトゲストハウスに戻り軽く休憩をして、アンナプルナ・ベースキャンプの感想やマー君を紹介してくれた事へのお礼やいろいろ喋って、次来るときもまたここのゲストハウスくるよ!と言いながらお別れ。つぎポカラ行ったらアンナプルナ・ベースキャンプ行かなくても絶対おじちゃんには会いに行こう。と決めました。
16:00にジープが来たので荷物を積み込む。あれ?屋根の上に人乗ってない?
マー君に聞くとツーリストは中のシートでセーフティーだよ、との事。
え、絶対屋根の方がおもろいやん。
マー君に無理を言ってジープの屋根に乗せてもらう。
山間の乗合ジープなだけあって、道の舗装なんかなく、崖っぷちを走るジープ。途中のぬかるみが深い所では藁を引いたり石を引いたりして通過していく。たくましすぎる。ジープのすごさも実感。
実家が車の乗り換えを考えてたけどジープオススメしとこう、とか本気で考える。
この日は夕方も気候が安定していて、屋根の上で、夕日に照らされながらネパールの絶景を特等席で見て、爆音で流れるインドミュージックを聞きながら、カトマンズからアンナプルナまでの道のりを振り返る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
あかん、マー君のことしかでてこーへん!笑
キャラ強すぎる笑
マー君といた5日間はすごく楽しくて初心者のポーターと歩くこともかなり楽しかったし、あの服装で、足を痛めながらも私の殺人級に思い荷物を背負って歩き抜いてくれたし、とにかくマー君がいなかったら私はアンナプルナ・ベースキャンプに行けて無かったよ、ありがとう。的な事を喋ってると
マー君もいつになく真剣な顔して
マー君「ほんまにいい経験になったよ。楽しかった。次はいつ来るん?くる時絶対連絡してな。」
私 「次はアンナプルナ一周やな。もちろんくるやろ?」
マー君「え!?あ、も、もちろん行くよ!ハッハッハ笑」
屋根に乗っていたのは1時間ぐらいやったけど山の中ではしんどかったり寒かったりしてゆっくり喋れなかった事をお互い色々喋って、最終日のこんな時に、しかもカタコトやのに、でも何か伝えたいって思って喋れば人間性って分かるもんやなと。本当にいい奴に出会えて良かった。たぶんこのジープは一生忘れられないな笑。
その後ポカラにつきマー君とはここでお別れ。また必ず会う約束をして。
韓国人の2人とも仲良くなり、翌日の夕食を一緒にする約束をして、宿に。
次の日は朝からがっつり食べ、夕飯を約束通り3人で。
韓国人に人気のステーキハウス。めちゃくちゃおいしすぎる!
貧乏旅行スタイルなので基本的に贅沢はしないけど、今日は特別。
私もアンさんもビールをのみ、話題はゴシップネタから、政治についての話や、今は少し落ち着いた雰囲気がある反日デモの話や、色んな国の話。
特に盛り上がったのが人の話。
危ないと言われてる国でもいい人もいるし、安全と言われてる国でも悪い人もいる。
旅中は最大限気をつけるけど、疑ってばかりじゃ楽しくない。
とか、いろんな話をして、
一見難しい話題でも、お互いカタコトの英語でなぜか通じる。
これもマー君の時にも思ったけどシンプルやからかな、なんか通じる。
大変やけど。お互い知ってる言葉を出しまくってインスピレーションクイズ状態。でもこれも楽しい。通じた時の喜びハンパない笑
この2人の韓国人もまた会う事を約束し、お別れ。ほんとにいい2人やった。
一人旅もあと5日。
2ヶ月、最初は長いと思ってたけどすごい短くて、一瞬やったなーとか思いながら翌日はひたすらポカラの街を歩いて観光。
その翌日はこの旅1番強烈な嘔吐と下痢に悩まされ、宿のお母さんにインド製の強烈な薬をもらい24時間寝込み回復。
その翌日にバスでまた7時間、カトマンズへ。
降りた地点が分からずタクシーの運転手に聞くとタメル地区まで約3キロと言ってきた。初め600ルピーと言われたので価格交渉。結果半額の300ルピーに。
値段交渉がうまく?いって満足していい気分でタクシーに。
走りだして30秒。見覚えのある風景。。。え、ここタメル地区やん?!
ちょ、おろしておろして!笑
3キロとか嘘やん笑
タクシーの運転手はタメル地区のすぐ近くなのに遠回りをして帰ってくる気だったのか。
どうせならもっと乗ってやればよかったなとか考えながら、
30秒で300ルピーを無駄に。300ルピーあったら、宿一泊分の大金やし笑
でもこれはもうすぐ帰国の余裕か、笑ってやり過ごせる笑
それから残りのルピーをほぼ食費に使い果たし、空港まで。
空港までのタクシーは相場どうりの値段やけどセクハラタクシー。
最後の最後までタクシー運なさすぎる笑
無事、飛行機に乗り、中国の昆明でトランジットの為、一夜を空港で過ごし、翌日無事日本に到着しました。
こんな感じで旅が終わりました。
この旅で出会った、来年また会おうと言ってくれた人たちに、今よりもっとコミュニケーションがとれるように、英語勉強してびっくりさせてやろう笑
ここに書ききれなくて親切にしてくれた方やお世話になった人達もたくさんいるし、
ネパールで出会った韓国人や、マー君、カンボジアで出会った体育教師や子供達、
ラオスで出会ったイケメンクライマーやスクールのスタッフさん達、チェンマイで出会った大学生や、
クラビで出会った日本人クライマーの方、バスの中で私の進路を変えてくれた外国人女性、
日本でクラビやネパールの素晴らしさを教えてくれた人たち、送り出してくれた人達、
誰1人欠けても今回のこの旅にはならなかったなーとか考えると
ほんと皆さんに感謝せずにはいられません。
ありがとうございます!
そして、なにより
旅にでるきっかけを与えてくれた髪様!ありがとう!笑
(おわり)
<写真と文 kusamon>
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