とき:15年4月12日
ところ:石川県野々市市(?)倉ヶ岳の岩場
メンバー:倉、他1

日曜日の石川きのこ会の観察会に参加するべく、金曜夜に京都を出発しひたすら下道で福井に向かう。敦賀までの峠の道は大雨。
コンビニにほぼ各駅停車みたいになり、むちゃくちゃ疲れる。
7時ごろ友人を拾い件の岩場へ向かう。一応朝から雨はやんでいるがほとんど期待できない。完全に開いたふきのうとうや日陰に残る雪を横目に行くが林道にもかなり雪が残っており、車ではもう無理だったので歩いていくことに・・・。本当なら駐車場から徒歩2分のはずなのだが、雪道を30分を歩く羽目に。

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岩場に着くとそれなりに大きい。ボルトなども新しく誰かが整備しているようだった。大きな沼とほとりにあってカエルがげこげこ言っている。
案の定岩場はびしょびしょぐずぐずでリード初心者用のルートにいくが、びしょびしょですごく怖い。そして岩がやたら冷たい。たぶん5.8くらい。思いっきりヌンチャクを握る。オワタ。

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その後終了点を右にずらしてTPで登るという腐った根性で二人でひたすら文句を言いながらなんとか昼まで登り、また雪道を歩いて帰る。

4月12日
クライミングに一緒に行った彼の家に泊まり、翌日は金沢郊外の医王山へ。もちろん彼はこなかった。
どピーカン。すばらしい天気だ。会の方はそれぞれグループでいったり1人でいったりと全員で行くこともなく、個人のペースで観察にでかける。初心者グループみたいなところに混ぜてもらいベテランの方からキノコの特徴や木の名前などを教えてもらいながら散策。
コシアブラなど春の山菜も摘んだり、芽の開いていたないフキノトウを摘みながら歩く。

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ゴキ山の山頂を経由してセミナーセンターに戻り同定会をする。

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↑左からかたいキノコ(不明)、エノキタケ(やわらかいキノコ)、ヒトクチタケ、ツチグリ(やわらかいキノコ)

同定用のカードにキノコの生えていた場所やその特徴を書き込みわかるものは名前を書いておく。わからないものはわかる人が書く。それでもわからないものは顕微鏡で胞子の形態などを観察する。
雪解け後は梅雨や秋に比べれば生える種類はかなり少なくなるが、トータルで20種類くらいのキノコを会で採取した。
同定会はまず、やわらかいキノコから。ヒラタケや柄がびろーんと長いエノキタケなど。それから硬いキノコ。ほとんどがサルノコシカケ科に属し木材腐朽菌である。エゴノキタケやカワラタケなど枯れた木に生えるキノコである。

前者のやわらかいキノコはあまり木材を腐らせる(ボロボロ)にするキノコはあまりなく、後者の固いキノコは木をボロボロにするキノコが多い。後者は枯れた木を分解しボロボロにして土に還らせる。その後また虫やその他微生物の力でもっと物質的に細かくなっていく。森の物質循環に直接関わるすごいキノコたちだ。やわい・硬いの区別でなんか少し笑ってしまうが、実際にはとても意義のあるわけ方であった。

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↑キノコとは思えないヒトクチタケ(かたいキノコ系で白色腐朽菌のサルノコシカケ科)

またやわくもないし硬くもないそれ以外のきのことして変形菌類であるマメホコリがいた。変形菌類はキノコと呼ばれる担子菌類とグループが違うので哺乳類と爬虫類くらいの違いがある。(実際の分子系統図で考えるともっと離れている)また子嚢菌類であるアネモネタマチャワンタケというキクザキイチリンソウに共生するキノコもプロが見つけていた。(担子菌類をキノコとすると厳密にはキノコではなく菌類といったほうがいいかもしれない。)

↓マメホコリ

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↓黒いひからびたミミズみたいのがアネモネタマチャワンタケ

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午後からは石川きのこ会の総会があるらしく、同定会のみの参加で帰らせてもらった。
山の中をこうやってキノコを探しながら歩き、生物と自然の関係について考えながら歩くとより一段と山が楽しく感じられた。