清水研吾 草間麻子

まず高度順応のため、チャカルタヤ5395mに登る。
チャカルタヤには世界で一番高所のスキー場跡があり、そのスキー場(標高・約5000m)までのツアーバスが出ている。日帰りツアーなので、山頂でテント泊し、翌日のバスで帰ることを伝えておく。

3月8日
ツアーバスに乗りチャカルタヤ・スキー場を目指す。
氷河の衰退により現在は雪が無いとの情報だが、高所でのトレーニングついでということで冬山装備一式を持って行く。
雪が無いとの情報だったが、前日に降雪があったようで車道に5cm程積もっている。ノーマルタイヤなので、スキー場手前約2kmでストップ。そこから歩いて行く事に。
午前11時、スキー場跡で他のツアー客と別れ、軽く昼食を取り、ここからチャカルタヤ山頂を2人で目指す。
うっすら雪はあるがアイゼンを付けるほどではない。空気が薄く数十歩歩くだけで息が切れる。
それ以外の高度障害は出ていないようで、テントを張れる所を探しながら登る。
想像以上に息が上がる。標高の高さを実感する。
気温は5℃くらいだろうか、冬山装備ではけっこう暑い。
約2時間で山頂に到達。少し下にテントを張れそうなスペースを見つけそこに張ることに。
雪は降りそうもなかったので、冬用外張りを使わずフライシートを張る。
テントを張るのにも息が切れる。何度も休憩しながらテントを張り、中で一息つく。
この辺りから高度障害が現れ始め、頭痛に悩まされる。
ダイアモックスは持っていっていたが、極力使わず順応したかったので飲まない。
日が暮れ夕食の時間になるが食欲が無い。吐き気もする。寝転ばないほうが良いのは知っていたが、起きているのも辛くずっと寝る。
実験的にハクキンカイロを持って行っていたので使用するが、酸素が薄く発熱しない。
結局朝まで何も食べず、頭痛と吐き気と倦怠感に苛まれながら夜中何度か目を覚ます。
翌朝目が覚めると体調は回復しており、順応は上手くいったようだ。
フライシートがバリバリに凍っている。
朝食を食べ、支度をする。やはり息は切れ、テントを片付けるのに数回休憩を挟む。
約一時間でスキー場まで下山。
バスを待つ時間が一番寒い。
こんな所にも野良犬がいる。とても人懐っこい。
待つこと数時間、昼前にバスが現れ、無事チャカルタヤでの高度順応が終了。
宿(約3500m)に戻るとハクキンカイロが発熱していた。

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<以上、原文ママ> 代理投稿 M