日時:2016年7月15日夜発~18日
場所:北アルプス富山県 常願寺川水系 真川 岩井谷
メンバー:く、他2

今年の連休もやはり天気が悪い。去年は谷川に行ったが出発する日は豪雨で鴨川が大変なことになっていたことを思い出す。水曜日はなんとか雨予報ではなく曇り予報だったが、金曜日には雨予報。ぎりぎりまで他の沢の案を考えてみたが、雨量がそこまで多くはないと判断し、北アルプスへ。

7月16日
前夜から車を飛ばして、金沢でメンバーと合流し富山へ向かう。
途中、今回の沢の食料を米以外用意していないという杜撰すぎる事態が発覚し、立山町のJA農産物直売所で開店1時間前にも関わらず、野菜を買わしていただく。
この連休も3日が晴れなら折立の駐車場も大変なことになっていただろうけど、雨予報のため駐車場も混雑しているものの空いていた。
パッキングしていると晴れてくる。出発すると青空で岩井谷出合までの5kmの林道は降り注ぐ太陽の中歩く。

DSCN9901 いざ入渓。

DSCN9904 最初の堰堤は左から巻いていき、まぁまぁ歩いて沢に戻る。たいした悪場もなく鳶谷出合に着く。ここを常宿としている釣り師のキャンプ地があった。

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だんだんと日が傾くので晴れ間はないが暑く沢日和だ。岩を越すときに時々けっこう難しかったりして疲れる。

DSCN3392 ゴルジュの上まで行こうとか言っていたけど出発がかなり遅れたので鳶谷の次の二俣まで行くことにした。
夜は月明かりがあるがけっこう分厚い雲に覆われていた。

7月17日
5時半に起床しとりあえずタープをはずそうと思ったら雨。けっこう強い。
タープの中で朝食を済ませ、濡れながらパッキングをして出発。雨は一旦止んだりとかしているが、時折強くなったりしている。

DSCN3462 ここからゴルジュまでの区間は水量も多くなって普段登れるところが登れなくなり少し巻いたりして、時間がかかる。

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ザックをいったん上に押し上げてからとかなんとかして、やっとのことでゴルジュ入り口。ちらっと見えるゴルジュの内部は水の壁でどうしようもない。ささっと手前のルンゼを上がっていく。ここで雨は止む。

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ルンゼを上がって小さい尾根にのって藪漕ぎして、沢に向かって下がりすぎずトラバースしていけば、懸垂無しで沢に復帰。沢の色の水は薬用養命酒みたいな色になっていて、沢を横切るときも水量が多く一苦労。

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だんだんと周りの雰囲気が高山帯になってくる。
テンカラをふると25cm以上の岩魚がかかった。(その後リリースしました。)

DSCN3511 岩魚もなんか海から戻ってきたかのような少し銀化してんじゃねぇかという色で、凶悪なかんじだった。水量はそこまで変わらず太郎平からの下山道の尾根がみえた二俣で今日は泊まることにした。増水した沢を進むのにけっこう時間がかかってしまった。
16時を過ぎると晴れてきて青空がでてきた。河原に寝そべる。虫も少なく快適だ。
沢の水も気がつくと元の色に戻っている。

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7月18日
やはり早朝は寒い。標高も2000m以上あれば当然か。
今日は下山だけなので朝食は作らずに、お茶だけ沸かしてレーションを軽く食べて出発。
水の量は少なくなり、源頭部の雰囲気だ。

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やがて水は枯れてハイマツがでてきた。
薬師峠に行きたかったが、どうやら間違えて薬師平に突き上げてしまった。しかし薬師平も高山植物がとても美しい。薬師岳にピストンできたらいいなぁとか思っていたが、なんかもうかなり疲れて、もちろん行かなかった。
薬師峠を過ぎて太郎平小屋でラーメンを食べて下山開始。

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太郎平小屋からは薬師岳のなだらかな美しい稜線が見えてとても景色がよく何時間も居れそうなので、すぐ下山を開始した。

DSCN3616 樹林帯に入り汗をぬぐって下山をする。
やっと折立に戻ってきた。帰りは亀谷温泉の白樺の湯によって、8号線沿いのおすしやさんによって渋滞に巻き込まれることもなく帰京した。

アルプスの沢はよかった。
今回の沢では一回もザイルを使うことはなかったが、しかし2000mを越えてナメがでてきて周辺の美しい高山帯の雰囲気の中、沢を登れるのはとてもよかった。

帰ってうっすらとした記憶でパソコンで調べたら、やはりそうだった。2年前に京大山岳部の現役部員が下流部で増水のため引き返す途中に、命を落としていたのが岩井谷だった。
ちょうどそのとき藤内にクライミングにいってその帰りにそのニュースを知ったのを思い出す。
今回は降水量が比較的少ないため、恐ろしく増水することもなかったが、あの茶色く変色した沢の水はアルプスの雨天時の水の量の途方もない多さを感じさせた。
沢の事故でやはり最も危険で怖いのは滑落などより、やはり水の事故だろう。これからも沢を安全に楽しくやっていきたいと強く思った。