日時:2018年4月28日〜5月2日
場所:穂高連峰
メンバ:Kの、Nち、Kやし

GWを利用して4泊5日で穂高連峰のバリエーションルートを3本登ってきました。
始終好天に恵まれて、非常に疲れましたが充実した山行となりました。

初日は上高地〜岳沢小屋。

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釜トンネルを抜けて上高地に入るも、例年に無く雪が少ない様子。
観光に来ていた外国人に記念写真を撮ってもらい出発。
暑さのため岳沢小屋までの2時間半ほどの登りが非常にきつい。
岳沢の雪も少なく、河原が露出していた。

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昼過ぎほどに岳沢小屋に到着すると、この日の行程は終了。
大して行動していないにもかかわらず暑さでバテバテ。明日からのハードスケジュールに不安が募る。
小屋はけっこう賑わっており、テントも20張り以上はあった。満席のテラスで飲むビールが美味しそう。
日帰りで岳沢小屋までのトレッキングの人もいるようだった。

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そしてテント設営時にポールを忘れたことに気づき呆然。
いろいろ試行錯誤した挙げ句、ストックを中に立てることでモノポールテントにするのがベストと判断。
見た目は少々アレだけど、まあ、なんとか居住性は確保できた。
午後は小屋でビールを飲んだり、昼寝をしたりしてダラダラ過ごす。

2日目は岳沢小屋〜コブ尾根〜岳沢小屋。
3時起きで4時半頃に出発。
コブ尾根へのアプローチのルンゼを詰めると前に2パーティーほどが見えた。
雪は締まっているが、コケたらどこまでも落ちていきそうな傾斜に緊張感が高まる。
無意識に力んでいたのか、ルート途中から脚に疲労感が溜まってくる。
ハイペースで先行パーティーをすべて追い越し、コブ尾根の取り付きと思われる岩壁基部に到着。

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ロープを出して登るところは、アイゼンでの岩登りに慣れていないと少し難しいと思う。
御在所にアイトレに行っておいてよかった。

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途中の小ピークから2回の懸垂を交えながら高度を上げていく。
今年はやっぱり雪が少ないようで懸垂支点は露出していた。

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壁は結構立っていたり、少々ランナウトするところがあり、雪稜入門ルートとはいえなかなか厳しいな・・・
と思って横を見ると、最初に抜かしたガイドパーティーが岩壁を巻いてルンゼを登っていた。

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途中からだいぶバテてきて遅れてしまったが、13時あたりになんとか稜線まで上がると、ジャンダルム飛騨尾根を登っている人たちが見えた。
思えばマトモな登山は正月以来、というか正月も敗退していたのでかなり久々。そらバテるか。

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天狗沢の下降途中のルンゼのトラバースでは、巨大なデブリがゴロゴロしていて、上を見ると今にも崩れそうな雪庇。
かなり疲労は溜まっていたが、デブリだらけのルンゼを必死にダッシュした。
ここで本日のエネルギーを使い果たし、空っぽになって15時過ぎにテントに到着。この日は小屋のトイレに行くのもキツかった。
明日からの3日間が心配でならなかったが、明日は涸沢まで行く予定なのでテントキープするわけにもいかず。


3日目は奥穂南陵〜奥穂高岳〜涸沢ヒュッテ(泊)。
2時半起床、4時出発。
昨日より少し早めに出発できたせいか、先行パーティーはいない。
持っていったトポ通りにルンゼを詰めて大滝下に到着するも、登れる代物ではなさそうなので、巻道を探すことに。
あんま明瞭な巻きも見つからず、仕方なく横の雪壁を登る。結構傾斜がある(60〜70度?)雪壁のフリーソロはなかなかの恐怖だった。
雪壁を登り切ると尾根に乗ったものの、藪がものすごい。
とりあえず少し進んでみたものの、藪、藪、藪でコレジャナイ感がすごい。


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もう少し進んでみようということで藪こぎしていくと、遠くに南陵のトリコニーと思われる岩峰が見えたが、ここからトラバースするのはかなり時間がかかりそう。
もはや南陵に復帰するのはあきらめ、なんとか稜線に出ようということに方針を転換。
この尾根も上部は一応岩尾根になっていたが、登る気も起きずスルーすることに。
途中から左のルンゼに降りて詰めていったところ、前穂高寄りの稜線に出ることができた。
ここから奥穂高まで歩いて、奥穂の山頂に到着した。


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穂高岳山荘に着いてもまだ10時半ころ。
時間が余ったので涸沢岳に登ってから、小豆沢を降りて涸沢ヒュッテに12時ころに到着。


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涸沢ヒュッテでおでんを食べたりビールを飲んだり部屋でゴロゴロして過ごす。
アルファ米ばかりの食べていたせいもあり、小屋の食事がとても美味しい。
夕食を食べている部屋で、長野県警の方が奥穂高への登山者に滑落の注意を呼び掛けていた。ご苦労さまです。

4日目は涸沢ヒュッテ〜前穂北尾根〜岳沢小屋。
3時起きで4時出発。
今日も元気にアプローチをぶっ飛ばし、5,6のコルに5時過ぎに到着するも、ルートを誤りまたしても雪壁を登ることに。
雪に蹴り込んだスタンスが今ひとつ信用できずに、思い切りが出ない。
後ろを振り返ると、広大な空間のはるか下に梓川の小さい流れが見える。こういうのはどうも苦手。


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その後はガイドパーティーの後を追って順調に進む。
核心の3峰の登りはルートファインディングに少し手こずったが、危うい場所もなく12時前に山頂に着いた。
奥明神沢を降りて、4日目の行動も無事終了。
GWの前半連休が終わったため、岳沢小屋はガラガラ。
テラスで贅沢にビールを飲んだり、昼寝をしたりしてゴロゴロ。
5日目は西穂高に登るという話もあったが、私の足皮がベロベロにめくれていたこともあり、素直に上高地に降りた。

今回の山行を振り返ると、個人的に正月以降、泊まりのガッツリした山に行けていなかったこともあり、かなり充実した5日間となった。
一方で、クライミングのスピード、体力などの面でまだまだ課題は多い。カムエク帰りの濃いメンツだったというのもあるけど・・・
またこういうところを目指せたらなあと思いました。