台湾沢登り
ところ:中華民国桃園県大漢溪水系三光溪
とき:2013年4月26~28日(前夜泊1泊)
隊員:
くら(関西岩峰会)
他7名(農大、清華大、台湾大、成功大OB,現役)
ゴールデンウィーク前半で台湾で沢登りをしてきました。楽しかった。
26日
台湾行きLCCはまさかの26日7時発。始発で間に合わないのでPEACHの第二ターミナルで前夜泊。無事、台湾・桃園機場着、1ヶ月台湾に期間滞在している探検部の先輩のところへ向かう。
台北大学の近くということなのでバスに乗って台北大学に着くと全く違うところだった。
台北大学は台北に2つあり、市内のほうに来てしまった。新北市に台北大学がありそこにいかなければいけなかった。台北市内を彷徨う。暑い。先輩の電話番号を紛失。wifiの繋がる松山機場までわざわざ行って番号を聞いて改めて出発。路線バスが高速を走ってる。
やっと先輩と合流できた。予定より3時間ちかく遅れてしまった。もうなんか疲れた。
少し荷物の整理をしたりして、夕飯を食べたりした後、集合場所である桃園駅に向かう。
集合時間9時より40分くらい前に着いた。ザックを背負った大きい男がいて目が合うとこっちに来た。どうやら隊員らしい。確かに新宿駅でザックを背負ってる人に声をかけるのは問題だけど台湾ならこんな荷物私たちだけしかいないだろう。彼は兵役がこのあいだ終わったらしい。名前はぞーはー。漢字が難しい。彼は英語の訛りなのか英語が聞き取りづらい。でも柔和でとても良い人のようだ。
全員が集まったのは10時30分。チャーターしたでかいバンに乗り込み入渓点へ向かう。乗り込んですぐに、雨が降り始める。
途中のセブンイレブンでビールを買う。もちろん台湾ビール。安い。
入渓点近くの林道着。パッキングやらなにやらをして就寝。雨強まる。
タープのシーリングしてあるところから雨が漏っている・・・。こういう不快さは日本と変わらない。笑
27日
4時起き。シュラフカバーはいつも通り寒かった。
林道から沢まで40分かけて下る。滑りやすく、少し歩きづらい。暑くなってきた。
雨強まる。最初の泳ぎ。思ったより水は冷たくない。ファイントラックのウェアのおかげだろうか。
最初の滝、直登不可。でかい。右から巻く。残置ロープあり。後続はユマーリング。2番目の滝。でかい。
泳いで取り付く。
そして樹齢100年以上のどでかい大木が挟まった屈曲部を過ぎる。
へつる岩に大量のムカデ。ぐおーーー。
泳ぎ、泳ぎを繰り返して四稜温泉着。白い煙が滝から濛々と上がっている。
あったかい!みんなで温泉に入る。ビールがでてきた。
お菓子がでてきた。コッフェルにお菓子とビールの缶をいれて浮かべて温泉気分。二人くらい寝てる。
むちゃくちゃダラダラして、今日のテン場へ向かう。温泉で体が暖まった直後に泳ぎ。四稜温泉後は渓相がおだやかに。砂地のテン場着。タープを張って薪を集める。一人刃渡り30cmくらいの蛮刀(湾曲した鉈のようなもの)で木を切っている。
私たち日本人2人は炊飯担当に!責任重大。ここでミスったら日本の恥になってしまう。
柔らかいのと固いごはんどっちが好み?と台湾人に聞いてみたりして余裕のある振りをする。
台湾人は切ったキャベツをヘルメットに入れている。
頭良いな。散々キャベツは洗ってヘルメット洗ってないけど。
ご飯も無事焦がさず、芯も残らず炊けました。今日のメニューはたまねぎと豚肉炒めとキャベツとタマネギ炒めと骨付きの肉。
うまい。大コッフェルの蓋とフライパンなどにのっけられて中華料理ぽい。
湿った焚き木もよく燃えている。第二段で豚肉が出てくると、「ピージョー、ピージョー!」みんなでビールを飲んで焚き木を囲む。
やがて自己紹介タイム。彼女はいるのかとか聞かれたり、日本のアニメソングをいっしょに歌う。ドラえもんからジブリまで。
農大名物青山ほとりを披露する。台湾人は「押忍!!」のフレーズが気に入ったようだ。
もう少しお酒が飲みたいなぁと思いながら就寝。
28日
起きるときのうの食当がもう朝食を作り終えていた。そして、焚き火に火が熾っている。
朝のメニューはお粥。ピータンとかが入っていて殊の外うまい。朝から幸せ。
みんな夜みたいに焚き火を囲んでいる。朝の撤収の喧騒はない。
今日は河原歩きがメイン。台湾の森林の雰囲気は南国風というか熱帯というか、日本と異なる。尺取り虫スタイルで岩を攀じるシャオファー。
泳ぎも何箇所か有り、徐々に谷が開けてくる。
どーんと2段の堰堤。右を巻く。
堰堤に上がると向こう側は別天地。
ティービェピャオリャン。
林道まで最後の壁を登り林道に上がりきる。無事台湾遡行が終了した。きのうの青山ほとり(大根踊り)のオス!のフレーズが気に入った台湾人。オス!で記念撮影。
明池というところまで歩く。6kmくらい。また雨が降りだした。行きと同じ車に乗って帰る。よくもまぁこんなところに道を通したというくらい険しい山山、深く切れ込んだ谷は日本の比ではない。
桃園に着き駅の前で降りる。本当に駅前でびしょびしょのザックを8個並べて台湾人にジロジロ見られる。
桃園の近くでみんなでごはんを食べる。ノンアルコール。
KFCに行ってまたおしゃべり。また会おうと約束して桃園駅で解散。
総括:
台湾の沢登りはスケールが違った。大きい沢だった。でも台湾人曰くmiddle-smallらしい。ほんまかいな。スケールは物理的な大きさ以外にもあてはまった。中国語を話す人たち。数詞とか、少しの言葉はわかるがあとはわからない。遡行中は中国語が飛び交っていた。でも沢登りの技術であったり、感性、Good view!とかlooks so cold!という部分は全く一緒だった。
日本にもこんな景色の沢はもしかしたらあるかもしれない。でも英語以外の言葉の通じない人たちと沢を登り、焚き火を囲み歌を歌って、いっしょに遡行終了を喜び合う。そして海外に沢登り友達ができたのは大きな大きな収穫だと私は思った。世界は広い。そしてまだやってない楽しいことがたくさんある。また行くぞ台湾!ありがとう台湾!
文責:くら
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