記 家山 隆治

11/19~27にタイのプラナーンへクライミングツアーへ行って来ました。

メンバーは新婚のはずの横山氏と私です。他に3名も一緒に…。

そこはクライマーの楽園でした。

青い空に白い砂浜、何と言っても数々の岩壁や岩塔に囲まれ、クライミングのことしか考えなくてよい環境は「楽園」という言葉がぴったりです。私のようなレベルでも十分すぎるほど楽しむことができた。

プラナン到着後、荷物を部屋に放り込み、さっそく辺りを歩いてみる。トンサイエリアには驚くほどのルーフが発達していた。それでも6A+のルートもある。到着早々のため、簡単そうなルートのあるムエタイ、123エリアへ移動。リゾートへやってきてクライミングを体験する人が多いらしくスクールで賑わっていた。さっそくいくつかのルートにトライ。5(5.8~5.9)あたりは、まずは問題なさそうである。

翌日から本格的にクライミング。

123エリア、ムエタイエリア、ダンカンズブーツ、オスカーワールドで1日のOFFをはさみ、4日間クライミングに興じていました。

結局123エリアで6A+をレッドポイントとオンサイト。6Bでお買い得があったもののそれ以上のグレードはムリでした。

帰りの日は「もうおしまい?」と淋しい気持ちになりながらも、また来年もぜったいに来ることを心に誓いながらプラナンを後にした。

<行き方>

バンコク経由でプーケットに入るのが一番はやい。ただし、午前便は割高?

ほかに、マニラ経由などがあるようで、安い分時間がかかります。

午前便の場合、プーケットで1泊します(インペリアルホテル650B)

プーケットからはバスも出ていますが(85B)、何人かで行くのであればワゴンのチャータが早く行けます(2.5h)。また、プーケット空港から直接アオナンまでチャータで行ってアオナンで1泊する方法もあるようです。その場合翌朝からクライミングが可能です。

アオナンからプラナンへは船外機の付いた木船で移動します。

<やど>

すべてバンガロータイプです。茅葺きのエアコンなしで300B、私たちが泊まったところはエアコン、シャワー付きで1500Bでした(ライレイベイ・バンガロー)。翌日に疲れを残さないためにはエアコン付きの方が快適に生活できると思います。

<生活>

プラナンでほとんどの物がそろいます。水、ビール、蚊取り線香、など。

食事はオープンテラスのレストランが数件あります。ハシゴするのも良いでしょう。夕食で一人100Bぐらいだったでしょうか。

コンロ等は必要ありません。燃料は売っていませんから。私は固形燃料の持ち込みをチャレンジしたのですが、関空で没収されました。「トホホ・・」

<トポ>

現地で入手可能です(250B)。2種類ありました。収入がルート整備に使われているらしく、日本でコピーした場合でもぜひ現地で一冊買って下さい。

<必需品>

何と言っても虫よけスプレー。特に夕方は岩の隙間から一斉に蚊が出てきます。茂みの中のエリアは日中でもいます。当然ノンガスタイプが必要です。

また、せっかくのビーチですから水着とゴーグルもお忘れなく。美しい魚に出会えます。トップレスに自信のある方はご自由に…

<ルート>

5から8台までルーフ、薄かぶり、コルネの発達したもの、マルチピッチ等様々なルートがあります。100本以上のルートがあるらしくどんな人でも楽しめるのではないでしょうか?次回は7A+のオレンジティアーズあたりを目標に…

1ピン目が遠いルートがありますので、落ちない為のコントロールが必要です。今回、やばいルートは横山氏にお願いしました。ありがとうございました。

以上で私からの報告を終わります。

12万円+αと費用はかさむものの「楽園」に行けるのですから、行ってみる価値はあると思います。皆様もどうですか?私は来年も必ず行きます。今回よりもより高グレードを、またマルチピッチも楽しそうです。

追)うちの「カミさん」がクライミングの初体験をしまして、せっかくだからと手記を書いてもらいました。また近くの岩場へも行くことになりそうです。皆様ヨロシク。私も初心を忘れることなく精進していきたいと思います。

記 家山 弘美

クライミング・・・私には、無縁のものだった。 つい、こないだまでは。

”南国のビーチでリゾート”そんな言葉に誘われて、気が付けば、タイ、プラナーン岬のライレイビーチの岩場にいた。 そこは、クライマーたちの熱気と歓声で賑わっていた。 数メートルのルートに何本ものロープがかけられ、岩に挑んでいる。 なんだがわからないが、見ているだけでワクワク、ゾクゾクの興奮を憶える。  ”やってみる?”の一言に、なぜかためらいはなかった。 ハーネスを身につけ、ジャングルジムを登るように岩に向かう。 3メートル程上がったところで、次の掴みどころがわからない。 そうなると、足場の重心も安定せず、もう、落ちることしか頭をめぐらない。  ”こわい!、しまった、怪我したらどうしよう”っと急に弱気になり、  ”もう、降ろして・・”と半ば悲鳴のような声になる。 地面に足を降ろした瞬間、安堵感が体中に広がり、逆流した血がもどるようだった。 しかし、ほっとして頭を持ち上げ、終了点を見た途端、ふつふつと悔しさが湧いてきた。どうしても、あそこに触れてみたい。そんな思いがこみ上げてくる。

明くる日、もう一度岩によじ登る。 こんどは、上がりきることしか頭にない。 どこをどう登ったのか、まったく憶えていない。 ただ、右手を終了点に触れた感覚と”ガンバ!”の声援だけが、いまも手と耳に残る。 そして、すがすがしい気分。 言われるがままに、足と手が次のポイントを見つけ、体重が移動されていく。 その心地よさがたまらない。

私もクライマーの端くれに足を踏み入れようとしているのだろうか・・・。