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前回からのつづき

vol.5「嵐のネパール、石の来訪する部屋」

楽しすぎたタイ、ラオス、カンボジアを後にし、ネパールへ。
最初の三カ国は割と距離も近く、文化も気候を似たような点も多かった気がするのですが、
ネパールは、また全然違う空気感で、お香の香りが漂うし、宗教も違うし、違う国なんだな、と陸路での国境ごえばかりだった今までより強く感じました。
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空港に着いてタクシーの客引きの多さにびっくりし、ネパールに着く前から若干お腹が痛かった私は、とりあえずタメル地区(安宿が集まる地区)まで!
400ルピーで!と叫びながら歩いてると1人の男の人が
よし、400で行こう!と言ってくれ、やった!と思った瞬間、
あっちにバイク停めてあるからちょっとまっててな!と…
バイタクかいー!!!バイタクに400て高くない?!とか思ったりしたけど
お腹の痛さに負け誰でもいいからタメル地区に連れてってくれ、とやけくそな感じでバイタクに。
私「せ、セーフティ??」
運転手「当たり前やん!何年運転手してると思ってるねんー笑」

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なんかこのやりとり前もどっかで…とか思いながら出発。
夜のカトマンズは街頭も少なくむしろないし、道に意味不明の穴が空いてて
危うく突っ込みかけるし、めちゃくちゃ寒いし、ザックが重くて後ろに落ちそうになるのを必死で堪えながらケチらんとタクシーにしとけばよかったと後悔しまくりで、
セーフティどころかかなりデンジャラスな移動。
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運転手の人はやたらと宿を勧めてくるけどどこも高く、やっと一泊500ルピーの宿に落ち着く。
カトマンズ入りしてから気候が変わり肌寒くなって、長袖長ズボン。
ずっと南国を回っていたわたしは体調を崩し、嫌な寒気が。
風邪や。知らない土地で体調を崩すと半端なく心細い。
あのパンツ一枚で寝れた南国が懐かしくて、泣きそうになりながら2日ぐらい休養。


元々ネパールは1ヶ月半ぐらいの予定だったのになぜか(寄り道ばっかりしてるから)旅の残りはあと二週間のみ。
行きたい所はたくさんあったのですが、亜熱帯気候のポカラの響きに魅力を感じ、寒さから逃げたいが為に、カトマンズよりあったかいポカラ、アンナプルナベースキャンプへのトレッキングに決定。


そうと決まればカトマンズから逃げるようにバスで7時間、ポカラに到着。
タクシーの客引きを振り払い歩いてレイクサイド地区(安宿街)へ。
道ですれ違った日本人の方に安い宿を教えてもらい一泊300ルピーの宿に。
初日はその方たちと夜ご飯たべてネパールビール飲んでぐだぐだ。
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次の日よりトレッキングに出かけました。
アンナプルナ山域をトレッキングするには許可証が必要なのでポカラにある事務所へ。
書類を記入し、許可証GET!2000ルピーぐらい。
まずはポカラからタクシーで1000ルピーぐらいのフェディへ。そこに登山口があって、そこからトレッキング開始!
といっても最初はめちゃめちゃ暑く、30度ぐらいあったんかな?真夏並みの暑さ。
フェディにいた女の子から、ギブミーチョコレート!のコールがかかり、ノーチョコレート!っと答えたのになぜかついてくる。
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女の子と手をつなぎながら歩き、高度差600mの急坂を汗だくになりながら約2時間、マチャプチャレの眺めが綺麗なダンプスという村に到着。
ここでも女の子からギブミーチョコレート!て言われたけど、
ノーチョコレート!!!(かぶせ気味に)
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笑顔でお別れをしてダンプスで一泊。初めての山小屋。すごい!レストランがあるし、ホットシャワーがでる!!
お腹いっぱい食べて翌日に備えて就寝。やっぱり少し寒い。。
次の日は6時に朝食を食べ、ランドルンという村に向う。


この日は約6時間歩く。登山道とかトレッキングルートというより、村の中を通ったり、小学校の横を通ったり、村の人たちが道を教えてくれたり、牛が道を通せんぼしてたり、
村の人たちの普段の生活の中を歩いていく様な、日本では味わえない雰囲気。
ええ感じやん。


途中、ランドルンまであと2時間ぐらいのトルカという村で休憩をしていたらあるレストランのネパール人のおじちゃんが
喋りかけてきました。




おじちゃん「✳︎?△◻︎○◎※∞?」
何を喋ってるのかわからないけど明らかに私に喋りかけてる…


私「!?え、何?!」


おじちゃん「オー!!ソーリーソーリー笑!ネパール人かと思ったよ!笑ハッハッハッハ」


私「…苦笑」
髪も短いし、肌も焼けたけど。笑
荷物の量からして確実ポーターと思ってたやん。笑
この時点でもはや国籍はおろか、性別すら不明なわたし。笑


おじちゃん「なんか食べてくか?笑」


なんかおじちゃんの感じが良かったのでここでお昼ご飯を食べる事に。
サンライトゲストハウスという宿兼レストラン。
お会計の時に、285ルピーの5ルピーが足りなかった私。(細かいお金がなかった。)心良くおまけしてもらいおじちゃんの人のよさを実感。
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おじちゃん「ランドルン行くなら、いとこがやってるゲストハウスあるからそこに泊まっていきな。ムーンライトゲストハウスって名前やから。」


私「オッケー!ムーンライトね!絶対いくわ!ありがとう、おじちゃん!」


このおじちゃんのいとこなら絶対いい人なはず!
ランドルンはムーンライトゲストハウスをめざす事に。
そこからとぼとぼ1人で歩き、なんでネパールまできて歩荷トレしてんねやろ…とか余計な事を考え出したあたりでようやくこの日の目的地、ランドルンに到着!
村から少し離れたムーンライトゲストハウスを探す。この間にも2人のネパール人にネパール語で喋りかけられました。
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宿を見つけ、思った通りのいい人で、疲れてたので着いてそのまま昼寝てしまい、夕方目覚めると寒気と頭痛と熱が。完全にカゼ。
あーやってもうた。
山小屋やからって油断しすぎたー後悔しても遅く、頭痛と熱のしんどさでもうABC行きは諦めようかなとか頭をよぎったり。
カゼ薬を飲んで寝ていると5時ぐらいから急に天気が荒れ模様に。
この時期は午後から天気が崩れる事は知っていたけど

それにしても強すぎる風!!鍵をしめて寝ているとバーーン!!!!という音と共にドアがあき、ガラスの窓も風で割れそうになってた。
閉めても無駄だと思い、部屋の隅で布団に丸まっておさまるのを待ちながら、
もう泣きそうになり、1人やし、こんな風強いし、なんかあっても嫌やしカゼ治るまでこことまってもう引き返そうって心に決める。笑
風がおさまり布団から出てドアを閉めようとした時、そこにあったのはバカでかい石。
風で飛ばされてドアの鍵を壊して入ってきてる感じ。
大人でも1人で持ち上げられない様な見るからに重い石。
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え、下手したら死んでたやん?私。もし鍵かけてなかったらダイレクトに直撃やったやん?
この時点であーもう絶対帰る!明日治ったら絶対帰る!むしろ治らなくてもジープでも乗って帰る!と決意。笑
この夜、宿のおじちゃんからミルクティーの差し入れが。
ちゃんと休んで治しや!と言ってくれ、ほんまいい人、ここに来てよかったと安らぎの中、就寝。笑


次の日は熱は下がったもののまだ頭痛がのこってたのでもう1日宿泊。
昨日の暴風で宿の2階の屋根とレストランの屋根が飛ばされた為、一日中カナヅチの音と忙しそうな声が。
自分の家の屋根が飛ばされたのにカゼを心配してミルクティーまで差し入れてくれたおじちゃんに更に深く感謝。
また来る時も絶対ここに泊まろう。うん、そうしよう。

つづく

<写真と文 Kusamon>
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