記 足立 健一



 

インカ道カルチャートレッキング
 インカ道とはクスコとマチュピチュを結ぶかっての生活道路。スペインの侵略により破壊あるいは忘れさられた道である。近年観光に力を入れているペルー政府により、その一部が整備され広く海外へ紹介された。
クスコには数多くのツアー会社があり、その多くがインカ道トレッキングを扱っている。コースは三泊四日と一泊二日のコースがある。費用は三泊四日のコースで60ドル、85ドル、100ドル以上とさまざま。ようはどこまでぜいたくをするかということ。歩くところに違いはない。私は一番安い60ドルのコースに参加した。ツアー会社の名前は『マジカルミステリーツアー』だった。

●10月8日(1日目)

クスコのアルマス広場に7時集合。バスで4時間走る。KM-82(地名)まで入りここでバスをおりる。ガイド(1名)、ポーター(3名)、客(14名)の紹介と装備分け。といっても客がもつのはマットと個人装備のみ。テントと四日分の食料、その他全部ポーターがかつぐことになる。ガイドはほとんど手ぶらだった。
吊橋をウルバンバ川左岸へわたり小さな起伏の道を2時間ほど歩くとリャクタパタの遺跡。小さな村だったという。さらに2時間ゆるやかに登りワィリャバンバの遺跡へ17時到着。ふり返ればベロニカ峰が美しい。農家の庭をかりてテントをはる。

●10月9日(2日目)

6時起床、7時出発。道からここから石畳になる。急坂を5時間かけて登り4200mの峠へ。さらに2時間下りハカマユ川のほとりへ17時到着。ここはパトロールの駐在基地でピストルをもったおまわりさんがいる。トイレは水洗だが流れていく先はアマゾンの源流と思われる。

●10月10日(3日)

6時起床、7時出発。1時間ほど登りルンクラカイの遺跡へ。ここはインカ道のチェックポイントで見張小屋だったという。さらに1時間登り3800mの峠へ。

2時間下りサヤックマルカの遺跡へ。ここは儀式の行われた神聖な場所だという。小高い丘にあり四方には象徴的な山がそびえている。小さな起伏を2時間ほど行くとプユパタマルカの遺跡。ここは小さな村のあとだ。急坂を2時間下ってウィニャワィナへ17時到着。ここには山小屋があり宿泊できる。大きなレストランがあり食事もたのめるし、有料だがホットシャワーも使える。インカ道トレック一泊二日コースの宿として使われている。明日は最終日なので、ポーターも交えてパーティだ。がんばってくれたポーターにはたっぷりチップをはずむ。まずはビールを3ダースはあけたろうか。そしてディナー。さらにディスコパーティー、サルサのリズムに合わせておどりまくろう。これがラテンの血というやつか。22時、マジカルミステリーツアーの夜はまだまだ終わらない。

●10月11日(4日)

水平の道から石段をはうよう登ると最後の峠に出る。ここはインティプンク。最後のチェックポイントと考えられている。ここではしばらくガスの切れるのを待つ。やがてガスが切れ朝日がさしこみ、マチュピチュがその全貌を現す。一斉に歓声が上がる。しばらくシャッター音がやまなかった。重い腰を上げ、ゆっくり坂を下り太陽の門からマチュピチュにおりたった。
トレッキング中は、ランチを2時間、ディナーを3時間会話を楽しみながら時間をかけて過ごす。そしてゆっくり歩く。ガイドはわかりやすい英語でインカの歴史についてレクチャーしてくれる。

インカ道カルチャートレッキングはガイドとともにインカの歴史をたずねる旅でもある。インカ道の通行料は7ドル、マチュピチュの入場料は10ドルと高い。しかしこのお金はインカ道とマチュピチュを保存し維持管理するために有効に使われている。

P.S.クスコへ戻る電車で大アクシデント発生!詳細は帰ってから話しましょう。