日時:11月25日~26日

メンバー:Y坊、コバK、コバR、F、W、N

 当会では、例年11月下旬に、正月山行に向けて冬山基礎訓練を行っています。ただ、訓練場所の選定に毎年苦慮しており、ここ数年は立山で行っていますが、昨年の立山先発隊は、みぞれ混じりの雨の中、悲惨な雪上訓練とテント生活訓練になった。(この顛末はブログの過去記事を参照されたい。)

 今年も立山で雪上訓練を実施しましたが、今年の立山・室堂は積雪3mで雪崩警報発令中。室堂平はホワイトアウトの地吹雪で、雪上訓練どころか冬山本番。雪山歩行・テント生活を含めて良い実戦訓練になりました。

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 扇沢側から入山。室堂はスキーヤー・ボーダーで溢れていた。準備を整え出発。何故かオブザーバー参加の私がテントを担ぐことになった。室堂平からいきなり実戦ワカン歩行訓練。更にホワイトアウトの中、リーダーの指示で地図とコンパスでナビゲーション訓練。「雷鳥荘」までは、目印の竹竿が数メートル毎にあったけれど、そこから先は尾根伝いに慎重に下る。ガスの合間に「雷鳥沢ヒュッテ」が見えて雷鳥平に降り立った。稜線に比べて風は弱いけれど、その分雪が深くワカンの私は、スノーシューの威力を見せつけられた。

 雷鳥沢管理所の横にテントを張り、一息ついてから雪上訓練開始。この日は時間があまりなく、ビーコンによる捜索訓練を行い、その後、雪ブロックの切り出し、雪洞堀りを行った。

DSC_0815雪洞を掘るのにも要領が必要。

 時間がたつのは早く、日が暮れてすぐに夕食。今宵のメニューは、具がたっぷり入った豪華なトマトリゾット。しかもα米でなく生米! 冬山で生米を食ったのは初めてです。Y坊は生米を炊くのが上手で、吹きこぼれもなしで結構イケテル。炊くコツは火加減より水の量だそうです。で、ちょっと思ったのは、食担の二人は厳しい自然条件の冬山で、食料は軽量、炊事は簡潔なのが必須(=冬山の主食はα米)ということを知らなかったのか? (美味しそうに夕食を食った手前、「オマエら冬山ナメとんのか!」とは言えませんでしたが・・・。)

 さて、狭いテントに窮屈な姿勢でいると、足が攣る者が続出。荷物を外に出せない冬山で、D社6人用テントに6人はやはり狭い。結局、コバK君が雪洞に一人で寝ることになった。夜、星が出ていて明日は好天が期待できそう・・・。

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OLYMPUS DIGITAL CAMERA早朝、テントから雄山を望む。 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA雷鳥平から主稜線の支尾根へ雪上訓練に向かう。

 朝、雲は多いが時折晴れ間も見える。冬山装備一式を持って奥大日への主稜線の支尾根に登り、雪上訓練になった。登ってくるスキーヤーを避けてアイゼン歩行、滑落停止の訓練を一通りして、最後に時間を切って尾根の合流点までアイゼンで登った。

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スキーヤーを避けて、アイゼンでの歩行訓練。

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滑落停止訓練(訓練に適した良い斜面が無かった。)

 その後、訓練を終えてテントに戻る頃には、ガスが出てきて雪も降ってきた。テントを撤収してホワイトアウトの中、「雷鳥荘」まで尾根を直登した。稜線に出ると今度は地吹雪。風雪が頬を叩きつける。ただ、ここまで来れば後は歩き続けるだけ。帰路を急ぐスキーヤーに混じり、耐風姿勢の実戦訓練をしながら室堂に向かった。

 故障者続出の当会で、「こういうときこそ、オレの出番」と雪上訓練に参加したものの、余り役に立てず、リーダーのY坊に負担を強いることになった。古参会員として若手には申し訳なく思っています。ただ、自分にとっては久々の冬山本番で、得るものが多い山行でした。     (ナッキーニャ)