日時:191228-30
メンバー:鹿、Rこ
アイスクライミングのビッグルート、三峰川岳沢は仙丈ヶ岳の南の大仙丈ヶ岳へ続く標高差約1,100mの沢だ。
1日目:大曲駐車場〜丸山谷出合〜営林署宿舎跡〜岳沢越〜岳沢出合〜F1〜F1上泊
大曲駐車場から三峰川沿いにフラットな林道を歩き、丸山谷へ入る。丸山谷から営林署宿舎跡までは南沢の支流を見落とし、一度引き返した。営林署跡で大休止しさらに進むと谷も終わりになり左の尾根からトラロープ沿いに上がり岳沢越に至る。倒木が多く面倒だった。岳沢越の林間から大仙丈ヶ岳が見えた。岳沢越から今度は降りになり三峰川本流に到着、少し歩いて岳沢出合に到達。ここからひたすら岳沢を詰めていくこととなる。幕営予定はF1下だったが、時間があるので行けるところまで行きたかったが、F1のアプローチ滝と思われる滝は水が流れており釜も薄い氷が張っているだけの有様。相方がフリーソロを試みるが氷が割れて片足が濡れてしまった。あえなく巻くことにしたが、谷の両側の岩がかなり高いところまであり、巻道が見当たらない。滝付近はツルツルした岩の上に雪が乗ってあるだけの箇所が多くて登れないので、少し戻って谷の左から巻くことにした。高巻きの難易度も高く悪戦苦闘しながら、ひたすら登っていく。岩がそそり立っているので落ち口からはるか高いところまでずっと上がっていくしかなく、どんどん沢から離れていく。沢に戻れずに尾根を超えたら別の沢に出た。残念ながら支流のようだった。ここで地図を落として取りに行ったり、水がぽつぽつ流れるところから汲んだりしていたら17時を過ぎてしまい真っ暗になってしまった。支流からさらに巻いていき斜面を降ると岳沢の本流に合流したが、滝のバンド部に出てしまった。この時はこれがF1なのかF2なのかよく分からなかったが登るしかないのでロープを出して今ルート初アイスとなる。登り終えるとテン泊の適地があり幕営。静かな場所でようやく落ち着くことができた。
↑営林署の中はネズミの糞だらけだった。
↑岳沢越から大仙丈ヶ岳が見える。
↑三峰川本流
↑出合から岳沢に入ったところ。遠くには大仙丈ヶ岳。さらにソーメン流しの滝らしき氷瀑も見えてモチベーションが上がる。
↑氷結していないのはおそらくF1に続くアプローチ滝
2日目:F2〜F9〜大仙丈ヶ岳〜頂上付近の風下側で幕営。
滝&ラッセルの1日。テント撤収し、沢沿いに進むと下部が繋がっていない滝を発見。今年は無理か〜と思っていたらこれはルートではなく右のほうに緩い滝がありルートはこちらのほうでホッとした。しかしこれがF2だとすると昨日のバンドに出たのがF1で水が流れていたのはF1のアプローチ滝ということになり、F1を抜けるのにかなり時間がかかってしまったということになる。F2を簡単に超えていき少し進むと大迫力の幅広のF3が立ちはだかる。荷物を背負ったまま鹿がリード。氷が非常に硬くフィフィを多用した。続くF4も垂直部があり、パンプ。F3、F4とも氷が硬いのでバイル、アイゼンが決めにくく今回のルートの技術的核心と言える。この二つの滝は事前トレーニングの八ヶ岳裏同心、黄蓮谷右俣以上の難易度だと感じた。
核心部を越えるとF5〜F7と滝が続くが傾斜が緩く快適に登れた。むしろ滝と滝の間の雪が深くラッセルとなるので体力が奪われる。
F8は有名なソーメン流しの滝。全長約110mで2ピッチとなり下部はフリーソロ。ちょうど12時を過ぎた頃で直射日光が当たって暑く、落氷、落石、ちり雪崩といろんなものが上から落ちてきた。2ピッチ目はロープを出したが氷は柔らかくクライミングの難易度自体はF3、F4よりも易しく感じた。F8、F9、小滝をフリーソロで超えるとあとは大仙丈ヶ岳を目指すのみだ。体力的にはここからが核心でラッセルがしんどくなりバテバテで大仙丈へ至る尾根に取り付くとハイマツ込みのラッセルとなり頂上が見えているのに何度も立ち止まってしまった。シャリバテかも。先週の甲斐駒のラッセルよりはるかに長い・・・
やっと大仙丈ヶ岳の頂上に着いたのが17時を過ぎてしまった。ここから仙丈ヶ岳までかかって1時間くらいだが断念し、南に少し下った場所に幕営適地があり、テント設営。予報では低気圧が近づいているとのことで、強風が吹いていてうるさくあまり眠れなかった。
↑下部が細くなっている滝はルートではなかった。
↑傾斜の緩いF2
↑迫力のあるF3
↑おそらくF4
↑ソーメン流しの滝 上部の日当たりが良かった。
↑下部はフリーソロで問題なかった。
↑ソーメン流しの滝上部。
↑ソーメン流しの滝の中間部までフリーソロで来てホッとする。
↑岳沢もいよいよ終わりに近づいてきた。
↑尾根に取り付いてから稜線までが体力的に厳しく参ってしまった。
↑17時過ぎて頂上。
3日目:大仙丈ヶ岳〜仙丈ヶ岳〜地蔵尾根〜柏木(市野瀬)駐車場〜大曲駐車場
朝起きて強風吹き荒れる中テント撤収。稜線にもかかわらず雪が深くラッセルとなった。予報通り風が強かった。1時間ほど歩いて仙丈ヶ岳に到達。まだ暗く、吹雪いており、視界がなく頂上感はなかったが目的は達成した。あとは下山のみ。視界不良の中、鹿の地図読みで地蔵尾根へ至る。小屋が付近にあり、今回の山行ではじめて別の登山者を発見した。
地蔵尾根はアップダウンのある単調かつ長大な尾根で大変つまらなかった。黒戸尾根や常念の東尾根を思い出した。地蔵尾根を登る登山者に10人ほど出会った。戸台の駐車場が流されているので仙丈ヶ岳のピストンだろう。天気が悪いので心配になった。しばらくして標高が低くなり雪から雨に変わった。足裏が痛くなり体力精神的にも参った中、柏木駐車場にたどり着いたがここからさらに6キロ歩いて大曲駐車場に行く必要がある。雨が降る中の下道の歩きは寒くとてもみじめだった。やる気も起きるはずがなく、だらだら歩いてようやく大曲に到着。帰りは仙流荘で温泉に浸かった。
1日目の高巻き、2日目のラッセル、3日目は下道歩きとアイスよりも体力がものをいうビッグルートだった。
↑仙丈ヶ岳頂上。何もわかりません
↑地蔵尾根の歩き。
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