記 奧和男 

 『山はええぞ!』、夏山が恋しいこの時節、わくわくしながら、休日を待っている人がどれくらいいる事でしょうか。

 山はいい。美しい景色が広がり、高山植物が咲き乱れる。稜線に立つと、気持ち良い風があり、雲海が広がる。山はひとを生き生きさせてくれる。また、時に自然の厳しさを感じさせてくれるときもある。

 白馬岳の名は、なんとなく美しさ、品のよさを感じさせてくれる。

 その山に始めて出会ったのは高校の山岳部の時で、白馬大雪渓から登りました。バテたらいけんと、一生懸命に、まわりの景色も見ず、ただひたすら登った記憶しかありません。でも、この山行は、三年生で最後の夏合宿だけに私には意味がありました。実は、これまで、バテてまともに、荷物を背負ったことがなかったからです。だから、白馬から、唐松、五龍、鹿島槍、爺ヶ岳へと縦走し、無事に終わったときの感動は、格別でした。『やった~!初めてバテずに登れたぞ~』、思わず泣き出してしまいそうな青春の1ページがここにはあります。

 ’90年の夏は、みまさか山の会のまだまだ経験の浅いお姉様3人と男2人でいきました。この時は、わがままなお姉様の感動の連続で、面白い山行が出来ました。『わぁ~このはなかわいい!』『わぁ~空が青いぞ~』『山がきれい~』・・・とまあ、立ち止まっては、感動タイムの長い事。ずいぶん山が遠く感じてしまいました。このときのルートは、栂池・自然園から天狗原、乗鞍岳を経て白馬大池、小蓮華山、白馬岳に至るコース。何と言っても、高山植物がすっごく咲いています。ワタスゲ、クルマコリ、チングルマ、ハクサンイチゲ、ハクサンフロ、チシマギキョウ、ウルップソウ、コマクサ、トリカブトなど、たくさんの花が見られます。そして、この展望.のよさ、北アルプスのほとんどのピークを見る事ができます。頂上でのんびりして、これまで立った山々に思いを馳せたいものです。今度行くとしたら、鑓温泉に入り、雪倉岳の稜線へいきたいと思います。

 いろいろやってみたけどやっぱり山歩き。不思議な事に、これまで見えなかった山が見えてくる。だから、『日本の山は美しい!』

 

 次の担当は、城倉さんです